【厳選5作品】医師が絶対おすすめの医療系漫画を紹介します

コードブルーの解説記事に、「これまで見られた医療系のドラマ、映画、小説、漫画などで「これは!」と思うものがあれば、機会があれば教えてください」というコメントをいただきました。

以前からこのタイプの記事を書こうと準備していたので、漫画編、小説編、映画編に分けて、私のおすすめを紹介していきたいと思います。

 

医療系の漫画をオススメするときに私が考えるのは、矛盾のない範囲でリアリティを保ちつつ、かつ「面白い」と思わせてくれるかどうかです。

この「面白い」というのは、深く考えさせてくれるかどうか、余韻が残るかどうかという意味です。

読み終わった後に、しばらくソファから立ち上がれない、翌日はいかに面白かったかを友達に伝えたくて仕方がない、というのが理想でしょう。

読み終わって1ヶ月ほど経ったらどんな話だったか忘れる、というようなものは除外です。

 

今回は漫画編です。

病院を舞台にした、医師が主役の定番モノを選ぶと、どうしても他の方のランキングを並び替えただけになりそうなので、もう少し広い範囲のジャンルで集めてみます。

厳選5作品です。

 

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リアル

スラムダンクやバガボンドで有名な井上雄彦さんの、有名すぎる漫画です。

さっそく「医療系」と言うと怒る人がいそうですが、この漫画は、

「障害とは何か」

「それに対して医療者は、あるいは健常者は、どう接するべきか」

という疑問に、一つの答えを示しています

その点で、もはや「漫画」という範疇を超えていると言って良い作品です。

 

車椅子バスケの選手たちの活躍を描きつつ、障害を抱えながら過ごす人、突然障害を持ったことによって様々なものを失い、あるいは得ることができた人たちを、リアルに描き出します

一瞬ハッとさせられるようなセリフがたくさんあり、短いセリフなのに思わず何度も読み返してしまう、という体験も、他の漫画では得難いものです。

井上雄彦さんは、このリアルのほか、スラムダンクやバガボンドでも多数の賞を受賞しており、卓越した画力で有名です。

「1ページに全く文字なし、人の絵1枚で泣けてしばらくページがめくれない」というシーンも多くあります。

ドラマでも、セリフが全くない俳優さんの表情だけで泣ける、ということがあるでしょう。

それと同じです。

すごく読みやすく、誰にでもおすすめできる漫画です。

現在14巻まで刊行され、今もヤングジャンプで連載中です。

 

ブラックジャックによろしく

ドラマ化もされたので、知っている方は多いと思います。

医療系ドラマや漫画は医者がカッコいいのが定番ですが、この漫画では医者が全くカッコ良くないのが特徴です。

主人公は研修医で当初理想に燃えているのですが、様々な科をローテートしながら、それぞれに矛盾抱えた世界を知っていき、幻滅していきます

患者さんを救いたいという理想や熱意がかえって軋轢を生む、という厳しい現実を前に成長していく主人公とともに、

「患者に対して医師はどうあるべきなのか」

を考えながら読むことになります。

医療界の闇を赤裸々に描いており、ある意味あまり読んでほしくないとも言える漫画です。

特に、他の医療系漫画ではあまり描かれない、産科や精神科でのタブーにも深く踏み込んでいます。

非常にテーマが重く後味も良くありませんが、あまりに面白くてページをめくる手が止まりません

あっという間に読めてしまい、また深い余韻も残る、圧倒的におすすめの医療系漫画です。

「ブラックジャックによろしく」全13巻、その続編の「新ブラックジャックによろしく」全9巻で完結しています。

 

医龍-Team Medical Dragon-

医者がカッコいい漫画の定番です。

こちらもドラマ化されていますし、知らない人はいないでしょう。

漫画の世界なので、少し「トンデモ」感はあるものの、医師が監修していますので、医学的にはそれなりに筋が通っています

また、主人公は天才的な外科医ですが、ワントップではなく、麻酔科医や看護師など、外科医以外の人たちも非常に魅力的に描いているのが特徴です。

 

医療ミスや、内科と外科との対立、封建的な医局制度の矛盾、医療界の権謀術数を批判的に描くなど、医療にまつわる社会的な問題も追求しています

「ブラックジャックによろしく」のようなちょっと「エグ味」があるものは嫌いで、天才外科医がサクッと問題解決する爽やかなシーンをご希望の方なら、断然こちらがおすすめです。

こちらも、非常におもしろいのであっという間に読めてしまいます。

全25巻で完結しています。

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ブラックジャック

もう説明不要だと思いますが、古いのに今読んでもリアルな、かつ医療への問題提起も多い、素晴らしい漫画です。

作者の手塚治虫は医師ですが、リアリティを追求しすぎず、漫画の中の完全なフィクションの世界にうまくリアルを持ちこんで、独特の世界観を作り上げています

また医師の視点から、脳などの臓器移植、安楽死などのタブーなどにも踏み込んでいます。

 

主人公であるブラックジャックは天才的な外科医ですが、医龍のような爽やかさはなく、全編を通して何となく物悲しい、やや寂しい雰囲気が漂う漫画です。

他の医療系漫画とはあまりに異質なので、比べるのも難しいほどですが、ある意味でこれを超える医療漫画は今後も出てこないだろうという確信はあります。

全25巻ですが、完全版や豪華版など様々なタイプが発売されています。

 

MONSTER

医療系漫画というジャンルに入れるとまた怒られそうな漫画です。

ジャンルとしてはミステリーですが、主人公は脳外科医です。

恐ろしいほどの狂気をもつ殺人鬼の命を、天才外科医である主人公が救ってしまったことがきっかけで、主人公の人生は狂い始めます

自分が救った殺人鬼を探すため、逃亡しながら調査を行う中で、医療倫理や医療界での権力闘争に悩む姿が描かれます。

この漫画はとにかく、緻密に計算された伏線とその回収が見事で、続きが気になって夜が眠れなくなります

結末も衝撃的ですが、下手に調べてネタバレしてしまうより、一気に読んでしまうことをオススメします。

単行本は全18巻、完全版として大判が全9巻で完結しています。

 

ちなみに医療系とは関係ありませんが、同じ浦沢直樹さんの作品では以下も私は大好きです。

映画化もされたので、ご存知の方は多いと思いますが、映画より原作の方が遥かに面白いです。

こちらも伏線の張り方はもはや神がかっていて、読み始めるとページをめくる手が止まらず、食事も摂らず一気に読み漁り、夢にまで出てきました。

作者の頭の中は一体どうなっているのか?と思わずにいられません。

こういう漫画家を「天才」というのだな、と当時思ったのを覚えています。

 

ジャンルとしてはSFミステリーですが、タイトルから想像される「ワクワクドキドキの冒険物」では全くありません。

どちらかというと推理ものに近く、しかも集団の狂気や人間の執念を描いた、ちょっと怖い漫画です。

誰もが、かつてこの国を脅かしたある新興宗教を連想せずにはいられないと思います。

読んでいる最中はまるでジェットコースターに乗っているような気分を味わえますので、ぜひ読んでみてほしいと思います。

単行本は「20世紀少年」として全22巻、その続きで「21世紀少年」として2巻の、全部で24冊で完結しています。

この2作品とも、ここには書ききれないくらい多数の賞を国内外で受賞しています


読んでみたいけど冊数も多いし、買って好みじゃなかったらどうしよう・・・という方には、TSUTAYAディスカスでの30日無料レンタルがオススメです

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【厳選5作品】医師が絶対おすすめの医療系漫画を紹介します」への9件のフィードバック

  1. りこ

    そろそろ寝ようかと思いましたら、記事が更新されていましたので(笑)先生はタフです。

    私、漫画本が好きなんです!特に医療系、歴史物なのですが、男性の方は女性が読まない物をご存知ですね。
    先生の記事を参考に、読みたい物リストに加えさせて頂きます。
    フラジャイルはどうですか?

    私がお薦めしたいものを1つ。「研修医なな子」です。
    読んでから知ったのですが、綿密な取材をもと描かれているそうです。

    返信
    1. keiyou 投稿作成者

      りこさん
      フラジャイル、研修医なな子、ともに知ってはいるんですが、読んだことはないんです。
      研修医なな子は、緻密に取材されているんですね!是非呼んでみたいと思います。
      今回私がリストアップしたのは、確かにかなり男くさいものばかりですね笑

      返信
  2. まっちょ

    9月21日の記事に「医療系のドラマ、映画、小説、漫画のおすすめを教えてください」とコメントいれたまっちょです。
    早速の記事、嬉しいです♪
    「リアル」と「医龍」は読んだことなかったです。他の作品も半分読みか、うろおぼえなので、この際、読み返します。
    楽しみです!ありがとうございました。

    私も、医療系漫画で思い出しました。「動物のお医者さん」と「おたんこナース」。
    どちらも佐々木倫子さんです。動物を医療系というのは無理かな(笑)、でも北大の獣医学部を舞台にした「動物のお医者さん」、新人看護婦をコミカルに時にシリアスに描いた「おたんこナース」。どっちも中々リアルでした。女性漫画家にしては、男性でも読みやすいようですね。
    「厳選5選」には難しいかもしれませんが、良い作品でした。

    先生が別の記事にコメントしていた「ER」、あ~そうそう、好きだった!と思い出しました。
    とある年末に、最初のシーズンを24時間一挙放映をやっていて、つい、一気見した覚えが。
    もの凄いスピード感でしたよね。アメリカの医療現場を知りませんが、リアルに描かれている感じがしました。
    あと、定時になったらさっさと切り上げてバトンタッチして帰るのもアメリカらしいと思いました。
    シーズン7ぐらい迄で挫けた気がしますが(笑)

    コードブルーSeazon1からの解説も興味深く読ませていただいています。
    今後の記事も楽しみです。ありがとうございます!

    返信
    1. keiyou 投稿作成者

      まっちょさん
      こういうオススメ系の記事は書くのがとても好きなので、希望してくださって書きやすかったです笑
      動物のお医者さん、全部ではないですが読んだことあります。「もやしもん」もそうですが、こういう一つのことに特化した学部や職種を描く漫画って結構興味深くておもしろいですよね。
      あえてリアルや医龍を選んだのは、あまり好き嫌いがなさそうかなぁという想像からです。
      おたんこナースは読んだことないですねぇ。
      海外ドラマって、ERもそうですし、プリズンブレイクやロスト、24のように作品自体のクオリティと人気が比例しそうですが、日本のエンターテイメントは、大好きな俳優さんやアイドルが出るならクオリティを問わず見る!歌は上手くないけど好きだからCD買う!っていう熱烈なファンが多くいますし、そういう芸能人のイメージが落ちると良くないですから、セールスのために製作者側が意識する方向性は違うのかなと勝手ながら思っています。

      返信
  3. YaKo

    こんばんは。

    医療系マンガと言えば私はブラックジャックによろしくですね♪
    ドラマにもなっていましたが、やっぱりマンガで読んでもらいたい作品です。
    これは、とにかく衝撃を覚えました。

    ちなみに、うちの病院の研修医当直室にブラックジャックによろしく全巻を置いてあるらしいです(笑)

    返信
    1. keiyou 投稿作成者

      YaKoさん
      研修医の生活などは少し古く、誇張もありますが、内容は衝撃的ですね。
      それなりに真実を伝えていると思いますし。
      医師も読むべき作品かなと思います。

      返信
    2. keiyou 投稿作成者

      YaKoさん
      研修医の生活などは少し古く、誇張もありますが、内容は衝撃的ですよね。
      それなりに真実を伝えていると思いますし。
      医師も読むべき作品かなと思います。

      返信
  4. ラン

    こんにちは。
    先生の記事、重すぎず軽すぎず素人にもわかり易く
    率直でもきつ過ぎず、隠し過ぎず
    本当に楽しく勉強になります。

    まっちょさんがオススメしているおたんこナース
    私もオススメです。

    消化器外科の先生でしたら、おたんこナースの人工肛門の回を是非読んで解説をして頂きたいです。
    読んだ時、リアル(だと素人は思ってます)な描写に「えっ、そんな事になるの??」ととても衝撃を受けました。
    それ以外にも、決して軽すぎず美化せずに描かれていると思っています。
    もちろんくっだらないなーと笑える回もあるので、本当にあるのか看護師さんである奥様(とどこかで読んだ記憶が…勘違いでしたら申し訳ございません)の感想も聞いてみたいです!

    お忙しい事と思いますので、お返事などは結構です。
    これからも先生の記事、楽しみにしております。

    返信
    1. keiyou 投稿作成者

      ランさん
      ありがとうございます!
      嫌味な書き方にならないかいつも心配しつつ書いているので、そう言っていただけるとすごく嬉しいです。
      おたんこナースはそんなに面白いんですね!
      まずは妻(看護師です)に読ませてみましょうか笑
      人工肛門の患者さんをリアルに書くとなると、それなりにきっちり勉強する必要があるでしょうし、監修もしっかりしているということでしょう。
      また読んでみますね。

      返信

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