いつも「忙しい」アピールをする人

立場上の種々の事情で、これまで行ったことのない病院に非常勤医として1日だけ勤務する、という機会が時にある。

 

以前こういうことがあった。

 

非常に落ち着いた雰囲気の病院で、「ゆっくり仕事ができそうだな」と思っていたら、実は周囲に工場の多い病院で、怪我をした外来患者が殺到し、目が回るほど忙しかった。

「この病院、忙しいですね、いつも大変ですね」と看護師に言うと、「そうですか?まあそういう病院ですから」と、涼しい顔で切り返された。

私は普段どれだけ仕事が多くても「忙しい」と言わないようにしているので、思わず「忙しい」と言ってしまったことを後悔した。

ちなみにその人は、非常に仕事のデキる看護師であった。

 

「忙しい」というのは主観的な感覚で、実際の仕事量を示す客観的な指標ではない。

室温25℃を暑いと感じる人がいれば、寒いと感じる人もいる。

その人自身の感じ方だけの問題である。

 

だが、どの職場にも必ず、毎日「忙しい」と繰り返し言い、妙に忙しそうにしている人がいる。

彼らは「忙しい」=「仕事量が多い」と思っている。

だから、「『忙しい』と言わない人より、自分の方が仕事量が多いはずだ」と思う。

そして「『忙しい』と言わないと、自分の仕事量が多いことに気づいてもらえないのではないか」という不安を抱いている。

 

ところが心配しなくても、どれだけ仕事をしているかは見る人が見れば容易にわかる。

そして「その人が仕事を多くしていたかどうか」を考えるとき、「その人が忙しそうにしていたかどうか」を判断材料にはしない。

 

同様に、いつも「忙しい」と言う人は、「仕事をする時間が長い」=「仕事量が多い」と思っている。

だから結果的に、絶えず「忙しい」と言いながら長い時間仕事をする。

「自分の仕事量が多い」ということが周囲の人にわかりやすいように、長時間いつも気を配っている。

 

だが、実際には「仕事をする時間」と「仕事量」は必ずしも一致しない。

仕事をする時間が短い人は、単に怠惰で仕事量が少ない場合もあれば、非常に処理能力が高く、短時間で多くの仕事をこなしている場合もあるからだ。

 

よって、「気配り」をする必要もない。

「見ればわかる」からだ。

 

だから私は、効果が変わらないのなら、忙しそうにはしない。

「忙しい」の水準が低い人だと思われると格好悪いからだ。

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