医師に嫌われる看護師の5つの特徴

前回の記事では看護師に嫌われる医師の特徴を書きました。

今回は逆に、医師に嫌われる看護師の特徴を書いてみたいと思います。

実は、医師と違って看護師は、医師から「個人的に嫌われる」ということはあまりありません

看護師は医師以上にチームで動き、フォロー体制が確立しているため、どちらかというと「病棟単位で嫌われる」ケースがほとんどです。

よってこれから書く問題点は、個人の問題ではなく、師長など指導的立場の人に原因があることが多い点に注意が必要です。

 

では順に見ていきましょう。

 

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プチドクター

医師に嫌われる看護師の典型例として、「プチドクター」と呼ばれる人種がいます(看護師にも嫌われると思いますが)。

医師であるかのように診察し、考えられる診断名や必要な処置、治療を次々に提案します。

そしてこの能力に妙に誇りを持っています

まだ現場に慣れずに動きの鈍い若手医師を批判し、あたかも自分が先輩医師であるかのように叱ります。

たいていこういう看護師は患者さんにもタメ口で、年上の患者さんにも偉そうにしています。

出現場所として多いのは、ICU、救急、外来、オペ室といった中央部門です。

 

臨床現場では経験がものを言うので、機転とスピードが要求される現場では、若手医師より経験豊富な看護師の方が動けるのは当然のことです。

そして医師に匹敵する診断力やアセスメント自体は立派な能力です。

現場では間違いなく必要ですし、こういう看護師はきっと重宝されます。

しかし、そもそも看護師は「医師でもできるようなこと」ができるのを自慢しても仕方がありません

「看護師だからできること」「看護師にしかできないこと」を磨き、それを後輩に指導できることを誇りに思うべきでしょう。

そして若手医師の教育係は先輩医師にしか務まりません

いくら経験がなくて動けない医師でも、これまで蓄えた豊富な知識が、現場経験のみで追い越されることはありません

医師がいくら現場経験を磨いても看護技術が身につくことはないのと同じです。

 

後輩看護師に異常に厳しい

後輩看護師に「そこまで言わなくても良いのに」というくらい厳しくしている看護師はよくいます。

ほとんど「いじめ」に近いような、無関心に近い、冷たい態度をとっていることもあります。

特に相手が看護学生だとそれは顕著で、用事があって学生が看護師に話しかけても、

「は?」

と冷たく返したり、「忙しい時に話しかけるな」とばかりに無視したりすることすらあります

話しかけづらくなった学生が病棟の片隅でレポートを抱えてじっとしている姿を見ると、あまりにかわいそうで思わず声をかけることもあります。

医師の世界ではこういう現象はまずありえません。

 

「自分が学生や新人看護師の頃にそういう仕打ちを受けてきたから、お前たちも同じ苦しみを味わえ」ということでしょうか。

普通は、自分が味わった同じ苦しみを後輩には味わわせたくないと思うのが健全な姿だと思いますが、なぜか看護師界は「いじめがなくならない野球部」のように旧態依然です。

当然患者さんの命に直結する仕事に厳しい教育は必須ですが、理不尽なまでの厳しさは必要ないでしょう。

こういう姿を医師はよく見ていて、理不尽に厳しい姿は「余裕がない姿」として医師はマイナスに捉えています

忙しい時でも丁寧に後輩に対応し、厳しさと後輩愛を兼ね備えた看護師こそ理想的でしょう。

 

コールが多い

これは病棟単位の苦情になることが多いポイントです。

とにかく一つ一つ確認があるたびコールをするので、コールが不必要に多くなります

一人の医師に伝えるべきことをまとめて報告すればコールが少なく済むのに、お互いの手間を増やしてしまいます

コールに対応して病棟に向かい、対応を終えて別の病棟に行った後に再び呼び戻されることもあります。

別の看護師から同じ内容でコールが来ることもあり、それがすでに対応済みだと、医師を苛立たせることもあります。

 

これは個人の問題というより、病棟での情報統制がきっちりされていないことに原因があります。

看護師は同時に多数の患者さんを見るので、担当看護師が思いついたその場で電話をしていると、当然こういうことが起こります。

情報はリーダーに集約し、リーダーからコールする、という方法を取っている病棟ではこういうことは起こりません。

この辺りは病棟によってルールが違うので、病棟単位で改善すべき問題と言えます。

 

ちなみに私が以前勤めていた病院で医師に信頼された病棟では、コールするのは毎回同じ年配の優秀な主任で、コンサルトは上手く、フットワークの重い医師に対しては容赦無く叱っていました

私たちはこっそりサイボーグと呼んでいましたが。

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コールの意図がわからない

特に忙しい時にかかってくるコールでは、医師は早く要件の概要を知りたいと思っています。

今やっている仕事より優先順位が高いのか低いのかをすぐに判断したいからです。

しかしよくあるのが、

「○○さんという名前の△歳の方で、既往に□□があり、普段のADLは・・・」

やたらに前置きが長く、よくよく聞いていると最後に、

「サチュレーションが80%台でして・・・」

と言われて焦る、というようなパターンです。

「えっ、いつから?酸素は?血圧は?レベルは?」

と、それまでに全く言わなかった必要な情報を矢継ぎ早に聞き返すことになるので、看護師もしどろもどろになって余計に要領を得ないコールになってしまいます。

逆に前置きが長い割に、要件は「明日の点滴のオーダーがありません」というパターンもあります。

前置きは最小限に、結論やバイタルなど重要な情報は最初に言うのが良いでしょう。

まず「なぜコールしたのか」が相手にすぐに分かるのが望ましいと思います。

この辺りが苦手なのはいつも同じ看護師なので、コンサルトの方法という面をしっかり教育されるべきでしょう。

 

カルテを読まない

治療方針や患者さんの病態について自分が考えていることをきっちりカルテに書かない医師が看護師を困らせる、というのは前回記事で述べた通りです。

しかし、きっちり意識してカルテを書いている医師にとっては、カルテをちゃんと読まない看護師に不満を感じます。

例えば、すでに明確な理由を記載して「本日で抗生剤を終了する」という方針を書いているのに、

「明日の抗生剤のオーダーがありません」

という連絡がある、というようなケースです。

もちろんミスを犯すくらいならしつこいくらい確認した方が良い、というのは正論です。

しかし、治療方針についての考えをカルテを通して看護師と共有したい、と思っている医師にとって、カルテに書いたことが担当看護師に全く伝わっていないことほどがっかりすることはありません

 

たとえは悪いですが、私は「カルテは交換日記のようなものだ」とよく言っています。

私は自分の考えはきっちりカルテに書きますし、かつ看護記録はきっちり読みます。

医師、看護師はカルテでお互いの意図を確認する作業を怠ってはならないと思います。


というわけで今回は医師に嫌われる看護師「あるある」でした。

看護師のみなさんには、「何を偉そうに」と叱られるかもしれませんね。

もちろん目的は批判ではなくチームワークの向上で、そのためにできることとして思いついたことを書きました。

前回の嫌われる医師のポイントの中でも私ができていないことは多くあるので、十分に認識して高い理想を持って医療の質を高めたいものです。

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医師。専門は消化器外科。二児の父。
ブログ開設4ヶ月後に月間67万PV達成
時事通信社医療情報サイト「時事メディカル」で定期連載中。
エムスリーでも連載中&「LIFESTYLE」企画・監修。
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医師に嫌われる看護師の5つの特徴」への10件のフィードバック

  1. かなちゃん

    異論・反論 ほんの少しありますが(笑) ご指摘 十分 肝に銘じて これからも引き続き 嫌われないナース・できるナースを目指して頑張ります(^^)

    返信
    1. けいゆう 投稿作成者

      かなちゃんさん
      異論、反論受け付けますよ!笑
      まあ偉そうなことを書いていますが、これは私の勝手な意見です。

      返信
  2. natsu

    けいゆう先生、いつもありがとうございます!
    自分もそうならないように気をつけます…

    嫌われていた看護師は、医師のフリをする男性看護師でした。
    オペ室のスクラブを着ているため、患者さんからは区別がつかないことがあります。
    先生と呼ばれても否定しない、偉そうな口調(笑)から、余計に医師を彷彿させていました。
    そして、切除する部位に口を出したり、器械出し以外は俺の仕事じゃないと、術後はどこかに消えてたりしていました…
    前の話ですが、この調子で職場を転々としているようです。

    返信
    1. けいゆう 投稿作成者

      natsuさん
      偉そうなことを書いてすみません笑
      それはユニークな男ですね〜笑 確かに医師にも看護師にも嫌われそうです。
      私の以前の職場にも似たような男がいまして、SNSで自分のスクラブ姿をアップしていました。
      「今日は当直です」と、あえて「当直」という言葉を使っていたのが印象的でした笑

      返信
      1. natsu

        お忙しいところ、返信をありがとうございます!
        もしかして同一人物でしょうか?(笑)
        SNSのアイコンはスクラブ姿にペアンを持っていたり、◯◯学会所属など、肩書き?を誇示していました。
        医長が「男社会では相手にされないから、女性の多い看護師の中で威張っている」と言っていました。

        返信
        1. けいゆう 投稿作成者

          natsuさん
          それはすごいですね!
          そこまでだと、私の言っている人を軽く超えています笑
          自分ではカッコいいつもりなのだと思いますが、かなり誤解していますね・・・

          返信
  3. 林檎

    けいゆう先生、今回も楽しく読ませて頂きました!

    私が入院をしていた某大学病院では、ナースの皆さんがとても熱心だったのですが、人間関係に火花がバチバチと飛び交っているのが分かるほどでした。

    というのも、ある日こんなことがあったんです。
    私の担当はナース1さんでした。私の術後二日目、まだ歩くのはお部屋の中にあるトイレまでがやっとでした。

    そんな時にナース2さんがお部屋に来て「林檎さん、A手術を受けた方は全員Bビデオを観るので、C室へ行きましょう。」と言いました。

    私は痛みに耐えながら歩いていて、本当に志村けんのような声を出しながらナース2さんとC室を目指しました。

    そこへナース1さんが私の志村けん声を聞きつけて「何してるんですか?」と駆けつけてこられました。

    私はBビデオを観にいく旨を伝えると、ナース1さんはナース2さんに「林檎さんは手術AだけどKはしてないから、ビデオは観なくていいんですよ。」と言いました。

    ナース2さんは「でも通常(何が通常なのかは分からないです)でって書いてますよ?」(ここでもう口調が強い)と答えます。

    するとナース1さんは「だから、通常はKもした人でしょ?林檎さんはKは無しだから、ビデオは無いから。」と引きません。

    その「通常だから!」と「Kしてないのにビデオ観ないでしょ!?」の応酬となり、私は廊下に立ちながら「あの、私はビデオ観ても構いませんよ?」と相変わらずの志村けん声で答えると、「林檎さんはお部屋に帰って下さい。」とナース1さん。。。

    最終的に「それ、ドクターのオーダー!?そんなオーダーないでしょ!?もういいから!林檎さんは私の担当だから、もし本当にビデオを観るなら私が確認取るから!あなた(ナース2)がしないで!」となって。。。。

    そこの病院は私が入院中に実習生がいて、朝のカンファレンスの時に看護師さんの輪から離れたところで、自分のファイルらしきものを持ち、カンファレンスはものすごくピリピリしてるしで、とても恐ろしい光景でしたよ!

    担当ナース1さんもナース2さんも私には優しいのに、あの火花は本当に怖かったです!

    こんなことってよくあるのですか…?

    別の病院で働いている別の知人に聞いたら、「あの病院ではそうだよね。私も二年間くらい働いてたからすごく分かる」と言ってくれました。

    しかし、「某大学病院は、なぜオーダーがきちんと伝わってないのかをインシデント扱いにするわ」と言っていて、厳しいんだなぁと思いました。

    命を扱う現場は大変ですね!
    けいゆう先生もたまにはゆっくりできていますか? 

    たまにはリフレッシュもされて下さいね♪
    (長文ですみませんでした)

    返信
    1. けいゆう 投稿作成者

      林檎さん
      「志村けん」に思わず笑ってしまいました笑
      今回は少しマニアックな内輪の話を書いてしまいましたが、林檎さんのような経験がおありでしたら何となくイメージはわくかもしれませんね。
      確かに看護師同士での喧嘩とまではならないまでも、意見の食い違いがこういう事態を起こすことはあります。
      医療行為の答えは一つではないので、それぞれが正しいと思う主張を譲らないと、このようになってしまうんでしょう。
      もちろん単に相性が悪い、仲が悪いというケースもありますが・・・
      にしても患者さんの前でそれを表立ってやってしまうのはよくないですね。不安にさせてしまうだけです。

      大きな病院では、連絡の行き違いなど細かいミスもインシデントレポートとして上げるよう厳しく指導されることが多いですね。
      林檎さんのケースではどうかわかりませんが、「そのくらいミスとは言わないのでは?」ということも許されない、ということが多いです。

      返信
  4. りこ

    こんばんは。
    けいゆう先生。
    忙しい時に「話しかけるな」とばかりに無視したりする。居ます居ます!そういう方。
    確かに余裕がないんでしょうね。忙しいから○分待ってくれる?とか言えないのだろうか…とよく思います。
    忙しいとは心をなくすと書きますから!笑
    以前上司が部内の会議で、私は○○日くらいから色々忙しくなるから機嫌が悪くなると思う。と発言したのには驚き呆れました。まさかの予告!?と。

    医療現場の場合。何の罪もない病棟にいる患者さんがそんな場面に出くわしたりしたら、どうしていいか分かりませんよね。

    返信
    1. けいゆう 投稿作成者

      りこさん
      まあどの業界にもそういう子供のような人はいますよね。
      残念ですが、もはや大人になってから人を変えることは難しいので、周囲の人が接し方を考えるしかないのでしょう。
      おっしゃる通り患者さんの前でそういう態度を見せるのは、信用にも関わるので、断じて許されないこととは思いますね。

      返信

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