人間ドックを受けるなら?おすすめの予約方法と年齢別検査項目の選び方

人間ドックを受けてみたいけれど、どんな検査項目を選べば良いのか分からない、という方は多いのではないでしょうか?

検査の種類があまりに多く、ネットで調べても、どれを選べば良いかわかりやすく書かれた記事はあまりありません。

それだけでなく、

人間ドックはどうやって予約すれば良いのか?

人間ドックはそもそも受けた方が良いのか?

受けるなら、何歳から何年おきに受けるのが良いのか?

と疑問に思う方も多いのではないかと思います。

この記事では、これらの疑問を全て解決すべく、人間ドックについて分かりやすく解説します。

年齢別に選ぶべきおすすめのプランインターネットの予約サイトから簡単に予約できる方法も書きますので、人間ドックを受けたい、という方は参考にしてみてください。

 

人間ドックは原則全額自己負担ですが、お勤めの会社によっては提携した医療機関で受けると保険が効く場合もあります

健康保険を利用した人間ドックの予約方法についても書きますので、参考にして下さい。

 

 

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人間ドックと一般的な健康診断の違い

人間ドックは、健康診断(健診または検診)の一つの形です。

人間ドックではない一般的な健診は、

会社、事業所に勤めている方やその家族(扶養者)が受ける健診や、市町村が実施する健診

を指します。

 

企業が従業員に対して行う法的に定められた健診や、市町村が行う健診は、国民全体の死亡率減少を目的とした、公共の予防対策です。

公的な補助によって安い自己負担で受けられるのがメリットです。

一方、国のお金を使う以上、将来的には治療費の削減によって医療経済的にプラスであることが絶対条件です。

よって、死亡率の減少効果が確実に証明されたものしか採用されません

また、大勢の人たちに一律に推奨する以上、リスクの少ない検査しか選べませんし、手間のかかる検査も選べません。

 

したがって、これらの厳しい条件を満たす限られた検査しか受けられないのがデメリット、ということになります。

少数の項目の血液検査、限られたがん検診と特定健診(いわゆるメタボ検診)のみが含まれます。

 

一方人間ドックは、自費かつ自己責任で受ける任意の検診ですので、こうした制限はありません。

この検査がないと人間ドックとは呼べない、というルールもありません。

自費で受けなければならない反面、豊富なラインナップの検査を自由に受けることができます

一般的な健康診断ではカバーできない、あらゆる病気のリスクに備えることができるわけです。

 

また、1〜2日で検査がまとめて受けられるため、何度も医療機関を往復する必要がないのもメリットです。

 

どんな病気に備えるべき?

人間ドックの目的は、一般的な検診ではカバーできないようなリスクを自己負担でカバーすることです。

ここで備えるべきリスクとして考えるべきなのは、がん、脳血管疾患、心疾患の3つです。

なぜなら、この3つが我が国で最も多くの人の命を奪っている病気だからです。

 

私たち日本人の死亡率トップ5は、

悪性新生物(がん)

心疾患

脳血管疾患

肺炎

老衰

です。

これで70%以上を占めます。

このうち、老衰と肺炎はほとんど「高齢者の最期」を意味しています。

よって、私を含め多くの方々が検診によって備えるべきは、

がん、心疾患、脳血管疾患

です。

そして、心疾患、脳血管疾患の大部分は生活習慣病が原因です

 

さらに、がんの罹患数のトップ5を見ます。

男性は胃、肺、大腸、前立腺、肝臓

女性は乳房、大腸、胃、肺、子宮

です。

したがって人間ドックではこれらを優先的に狙うことになります。

 

もちろん、

「確率の低い病気も含め全部予防したい!」

という人は、自分の意思かつ自費ですから、より多くの検査を追加しても構いません。

しかし、私も含めほとんどの人は「頻度の低い病気までカバーできるほど金も時間もない」はずです。

そこでリスクの高い疾患を優先的に予防するのがベスト、ということになります。

 

では、具体的な検査について見ていきましょう。

 

基本的なプラン

病院や施設によって異なりますが、一般的には以下のようなものが基本プランです。

身体計測

血圧

心電図

聴力

呼吸機能検査

胸部X線

上部消化管(X線または内視鏡)

腹部超音波

血液検査

尿検査

便潜血検査

子宮がん検診(女性のみ)

基本プランの中で、わかりにくいものについて少し解説を加えておきます。

 

身体計測・血圧・心電図

身体計測では、身長、体重、BMIを計測し、肥満の度合いを見ます。

肥満は、高血圧、糖尿病、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い)に関わります

これらは動脈硬化を引き起こし、心血管疾患(心筋梗塞や狭心症など)脳血管疾患(脳出血や脳梗塞など)のリスクになります。

心電図では、すでに起こっている心筋の異常や、脳梗塞の原因となる不整脈(心房細動)を見つけることができます。

 

視力、眼圧、眼底を検査します。

糖尿病による眼の合併症(網膜症)や、白内障、緑内障など様々な眼の疾患を調べることができます。

(糖尿病性網膜症と緑内障は成人の失明原因の1位、2位です)

 

上部消化管

上部消化管(食道と胃)を調べる検査としては、上部内視鏡検査(胃カメラ)と、胃X線検査があります。

胃X線検査は、バリウムを飲んでレントゲンを様々な方向から何枚も撮影する検査で、胃透視胃造影検査と呼ばれることもあります。

胃カメラの方が精度が高く、胃X線検査の方が楽とも言い切れないことから、胃カメラの方が推奨されます

(胃X線検査で異常があれば結局精密検査は胃カメラで行います)

 

呼吸機能検査・胸部X線

喫煙者は、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」の早期発見が必須です。

呼吸機能検査(スパイロメトリー)により、COPDの疑いがあれば早急に治療が必要です。

COPDは「肺の生活習慣病」と言われています。

また、タバコを吸う人は、吸わない人の10倍肺がんになりやすいとされています。

胸部X線検査で、肺がんを含む胸部の疾患を検索できます。

 

腹部超音波検査

腹部超音波(エコー)で見るのは、お腹の中の臓器のうち「管でない臓器」です。

お腹の中の管(消化管)とは、胃、小腸、大腸のことですが、これらはエコーでは観察できません(空気が含まれるため超音波が反射してしまう)。

したがって腹部エコー検査では、肝臓、胆のう、胆管、膵臓、脾臓、腎臓、大動脈などを観察します。

これらの臓器にできる悪性腫瘍などの病気や、大動脈瘤といった血管疾患を見つけることができます。

 

血液検査

人間ドックの血液検査は一般的な健康診断より項目がはるかに多く、臓器の状態をより詳しく調べることができます。

たとえば、

腎機能を示す尿素窒素(BUN)やクレアチニン(Cr)

糖尿病の数値であるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)

肝・胆道系の機能を示すビリルビンやALP、LDH

膵臓の数値であるアミラーゼ

尿酸値

といった項目は、一般的な健康診断には含まれていないことが多いのですが、基準値を逸脱していれば精密検査が必要な項目です。

 

子宮がん検診

子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんがありますが、性格は大きく異なります。

子宮頸がんは20代から増加し、30代後半がピークになります。

一方、子宮体がんは、40代後半から増加し、50代、60代がピークとされています。

一般的な健康診断に子宮頸がん検診は含まれるのが普通ですが、子宮体がん検診は含まれません。

これを人間ドックでカバーできます。

子宮体がんは、妊娠、出産経験がない方や少ない方に多いとされ、子宮頸がんのリスクとは真逆です。

(子宮頸がんは性交渉によるウイルス感染が原因なので、初交が早い、性交渉をした人数が多い、出産経験が多いことがリスク)

 

オプションで追加すべき検査

ここに、上述したような頻度の高い疾患を狙って次の検査を追加するのがおすすめです。

 

がんの検査

下部内視鏡検査(大腸カメラ)

一般的な健康診断で行うのは便潜血検査(検便)だけですが、便潜血検査は感度が低く、大腸がんがあっても陽性に出ないことが多々あります

また、痔がある人は痔からの出血で陽性になるため、便潜血検査で大腸がんを見分けることができません。

一方大腸カメラは、大腸がんの95%以上を見つけることができます。

大腸がんは男女ともに疾患頻度が非常に高いため、大腸カメラは追加すべき検査と言えます。

検査の手順前日の食事等の準備についてはこちら

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は痛い?下剤は辛い?鎮静必要?

便潜血と大腸カメラの違いについて詳しくはこちら

大腸がん検診を徹底解説!検査の種類と方法、なぜ受けるべきか?

 

なお、大腸カメラは「全大腸内視鏡検査」を選びましょう。

日本人は大腸がんの70%がS状結腸より下流にできることや、全大腸内視鏡検査が技術的に難度が高かったことから、かつては「S状結腸内視鏡検査」が一般的でした。

しかしこれではS状結腸より上流の病変を知ることは全くできず、現在の臨床現場ではほとんど行われていない検査です。

(以前はこれが広く行われていため、死亡率の低下がデータとして証明されており、その名残として今も一部の検診で行われています)

 

また、大腸CT注腸造影検査は造影剤を用いて大腸を見る検査ですが、精度は大腸カメラより劣ります。

にもかかわらずそれなりに体に負担もあります。

以上から、任意の検診で自由に選べる人間ドックでは最も確実な全大腸内視鏡検査をおすすめします。

 

ピロリ菌検査

胃がんの原因のほとんどはピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)の感染です。

多くは両親から感染し、長い期間を経て萎縮性胃炎を起こし、そこに癌が発生する、というのが胃がんのメカニズムです

ピロリ菌感染のある人は、そうでない人の35倍胃がんになりやすく、ピロリ菌がいない胃がんはわずかに0.66%しかありません。

感染があればすぐに除菌することで胃がんのリスクを下げることができます。

近年、中学生を対象にピロリ菌検査を行う自治体がかなり増えていますが、これまで受けたことがない人は必ず受けた方が良いでしょう。

 

腫瘍マーカー

腫瘍マーカーも多数ありますが、やはり疾患頻度の高いものを優先します。

まず、CEA、CA19-9は、消化器系のがん(胃がん、大腸がん、膵がん、胆管がんなど)婦人科系のがん(子宮がん、卵巣がん)など、頻度の高いがんの多くで上昇するため必須と言えます。

ここに、女性はCA125(子宮がん、卵巣がん)、男性はPSA(前立腺がん)を追加するのが良いでしょう。

 

PET-CT

全身を撮影すると、がんがある部位が光る、という検査です。

部位やがん種によっては検出できないこともありますが、病気の早期発見にはそれなりに有用な検査です。

ただ、10万円前後と値段が高いのが特徴で、有用とはいえ、金銭的に余裕のある人にしか勧められない、優先順位は高くない検査です。

病院では、他の検査で進行したがんが見つかった時の精密検査、という位置付けにしているのが一般的です。

 

乳腺検査(触診、マンモグラフィーまたは乳腺超音波)

40歳以上の女性には、乳がん検診が推奨されています。

乳がんも頻度の高い病気です。

40歳以上で人間ドックを受ける方は、乳腺の検査の追加が望ましいでしょう。

なお、40歳以上はマンモグラフィー、40歳未満は乳房超音波検査を推奨する施設が一般的です。

若い方は乳腺濃度が高く、マンモグラフィーで乳がんを見つけることが難しいためです。

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生活習慣病が原因となる病気の検査

40歳以上で、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール、高中性脂肪)、肥満がある方や喫煙者は、生活習慣病に関わる検査を追加するのが望ましいでしょう。

これらの生活習慣病が動脈硬化を引き起こすなどして、心疾患、脳血管疾患の大きな原因になるからです。

(優先順位の高い順です)

 

運動負荷心電図

普段から症状はなくても、強い運動負荷をかけることでの心電図の変化を誘発し、狭心症、心筋梗塞のリスクを知ることができます。

施設によってはこれと心エコーなどを「心臓ドック」として基本プランとセットにしているところもあります。

 

脳血管の検査

脳MRI、MRAにより、脳の血管の状態を調べることができます。

生活習慣病が大きなリスクとなる、脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患の危険因子を早期に見つけられます。

施設によってはこれを「脳ドック」として、基本プランとセットにしているところもあります。

(もちろん脳腫瘍や、くも膜下出血の原因となる動脈瘤を同時に見つけることも可能)

 

脈波伝播速度(PWV)

PWV(脈波伝播速度)検査では動脈硬化の進行度を調べることができます。

(基本プランに入っている施設も多くあります)

 

頸部エコー

頸動脈内の状態を超音波で観察します。

動脈硬化の状態から、脳梗塞のリスクを知ることができます。

 

何歳から受けるべき?

日本人間ドック学会は、人間ドックを受ける年齢は20歳から、としています。

20歳以上であれば、人間ドックを受けることでメリットを得ることはできるでしょう。

みなさんの年齢に合わせて必要な検査を以下に書きますので、参考にしてみてください。

(検査プランに正解はなく、医師によっても意見は異なりますので、あくまで一つの意見としてお読みください)

 

年齢別おすすめの検査

年代別におすすめの検査内容を記載します。

施設によっては固定のセットになっているため、以下のように自由に組み合わせられないところもあります。

その場合は、ややオーバーな検査になっても仕方がないと考えましょう(「受けてはいけない」という検査はなく、別々に受けるとかえって費用も時間も浪費するためセットで受けましょう)。

 

20代(20歳〜29歳)

基本プラン(子宮頸がん検診を含む)

ピロリ菌検査

 

30代(30歳〜39歳)

基本プラン(子宮頸がん検診を含む)

ピロリ菌検査

血縁関係のある人に乳がん患者がいる方は乳腺超音波を追加

 

40代(40歳〜49歳)

基本プラン(子宮頸がん検診を含む)

ピロリ菌検査

大腸カメラ

胃カメラ

マンモグラフィー

腫瘍マーカー

リスクがある方は生活習慣病に関わる検査

 

50代〜60代(50歳〜69歳)

基本プラン(子宮頸がん検診を含む)

ピロリ菌検査

大腸カメラ

胃カメラ

マンモグラフィー

子宮体がん検診

リスクがある方は生活習慣病に関わる検査

 

インターネットの予約サイトはこちらから

 

何年おきに受けるべき?

日本人間ドック学会は、1年に1回の受診を推奨しています

確かに受診の頻度は、多ければ多いほど良いのは間違いありません。

しかし、時間や費用を考えると1年に1回は難しい、という方もいるでしょう。

基本的には、職場や市町村で行う一般的な健康診断でカバーできない部分を補う、というのが人間ドックの目的です。

市町村で行う一般的な健康診断は、

メタボ健診(特定健康診査):40歳以上、1年に1回

肺がん検診:40歳以上、1年に1回

胃がん検診:50歳以上、2年に1回(胃カメラの場合)

大腸がん検診:40歳以上、1年に1回

乳がん検診:40歳以上、2年に1回

子宮頸がん検診:20歳以上、2年に1回

ですので、これらを受けることを前提とすれば、人間ドックの目安としては2〜3年に1回が望ましいというのが私の考えです。

 

もちろんこれは、「1回目の人間ドックで病気が見つからなかったこと」が条件です。

たとえば、1回目の人間ドックの腹部超音波検査で胆のうポリープが見つかれば、病院に行くことになりますね。

大きさによっては、医師から1年後の腹部超音波検査を指示されるはずです(大きいものはがん化するため)。

このように、病気が見つかった領域だけは、より慎重にフォローするために検査の頻度を上げる、ということになります。

これについては、直接診断した医師の指示に従うのが良いでしょう。

 

料金はどのくらいかかる?

人間ドックの費用は、とりあえず基本プランだけで良い、という方で平均的には3〜5万円です。

ここに上述の検査を追加すれば、10万円を超えることもあります。

人間ドックは健康保険を利用できないため、全額自己負担です。

ただし、加入している健康保険組合健康保険協会によっては(お勤めの会社によっては)、指定の医療機関で受ける場合に限り、補助金を利用できることがあります。

会社、事業所にご確認ください。

補助が受けられる医療機関で人間ドックの予約をする方法は後述します

 

また、人間ドックにかかった費用は、確定申告の際の医療費控除の対象にはなりません

健康診断は病気の治療を行うためのものではないからです。

ただし、人間ドックを受けた結果病気が発見され、それに対して治療を行った場合は人間ドックの費用が医療費控除の対象になります

このケースでは、人間ドックが病気の治療前の診察や検査に含まれるためです。

人間ドックを受けた際には、こういったケースを考慮して、必ず領収証をおいておきましょう。

 

人間ドックの予約方法、病院の選び方

近隣で人間ドックをやっている病院がどこにあるかわからない、という方も多いでしょう。

逆に東京や大阪など都市部では、様々な施設で人間ドックが行われており、価格やプランも異なります。

おすすめは、インターネットの予約サイトを利用することです。

都道府県や路線別に検診を行なっている病院を検索し、好みの検査プランを選んでインターネットで予約することができます。

中にはホテルの宿泊・食事付き、1泊2日のようなプランもありますし、日曜、祝日に受けられるところもあります。

スマホでも簡単にできますので、手順を紹介しておきます。

 

予約の手順

①地域を選ぶ

 

②人間ドックを選ぶ

 

③プランを選ぶ

 

「人間ドック・検診予約」のページへ

 

健康保険の補助が利用できる方の予約方法

(※指定の限られた医療機関でのみ保険の補助が可能)

トップページへアクセスする

②メニューボタンをクリック

 

③「健保組合の補助を利用する方」をクリック

 

④地域とプランを選ぶ

 

※パソコンの方はトップページ上のバーから目的のページに行けます。


今回は、人間ドックの考え方と、概要について書きました。

任意で受ける検診では「80点くらいを狙う」というのが妥協点です。

時間にもお金にも精神的にも余裕がある方は、100点満点を狙って20歳頃から毎年人間ドックであらゆる検査を受けるのが確実です。

理論的に考えれば、死亡率を下げる効果はより高くなるはずです。

たとえば私はこの仕事をしていると、20歳代、30歳代の若い方の胃がんや大腸がんに出会います。

こういうまれな事象にも対応するなら、20歳頃から胃カメラ、大腸カメラを受けるのが確実だということになります。

 

しかし、実際にはほぼ全てが空振りに終わる一方、「検診では見つけられない病気」のリスクは下がらないので、時間と費用の浪費の方がはるかに大きくなります

自己免疫疾患や感染症など、検診では見つけられなくても、誰もが予兆なく突然かかる病気は他にいくらでもあるためです。

これが任意で受ける検診の難しいところです。

今回はその難しい部分を、私の考えをもとに書いているため、あくまで参考としてお考えください。

「この検査はどうなのか?」という疑問点があれば、コメント欄からご質問いただければお答えし、必要なら追記します。

 

Q&A

ペプシノゲン検査やABC検診は必要ですか?

ペプシノゲン検査は、「胃がんを見つける検診」ではないことに注意が必要です。

あくまで、血液検査によって胃の状態を推測する検査です。

ペプシノゲンは、胃から分泌される酵素です。

萎縮性胃炎(胃がんのハイリスク)になると、ペプシノゲンの分泌が減り、血液中の濃度が低下します。

一般的には、このペプシノゲン検査とピロリ菌検査を血液検査で同時に行う「ABC検診」を行い、胃カメラを受けるべき人とそうでない人を区別するのが目的です。

ピロリ菌が陰性で、かつ萎縮性胃炎がなければ、胃がんのリスクが低い、と判断できるという理屈です。

 

しかし、ABC検診の結果はあくまで血液検査での推測にすぎず、ABC検診で陰性でも胃がんがあることはあります

一方萎縮性胃炎があるかどうかは、胃カメラをすれば一目瞭然で、より確実にわかります。

ABC検診ではなく、胃カメラが市町村で2年に1回安価で受けられることを考えると、臨床的には位置付けのやや難しい検診と言えます。

まして自由に選べる人間ドックでは、胃カメラを差し置いてこの検査を選ぶ必要性は乏しいというのが私の考えです。

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医師。専門は消化器外科。二児の父。
ブログ開設4ヶ月後に月間67万PV達成
時事通信社医療情報サイト「時事メディカル」
「教えて!けいゆう先生」のコーナーで定期連載中。
エムスリーでも連載中&「LIFESTYLE」企画・監修。
「劇場版コード・ブルー」公開前イベントに出演。
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人間ドックを受けるなら?おすすめの予約方法と年齢別検査項目の選び方」への2件のフィードバック

  1. TOM

    先生おつかれさまです
    先日人間ドックを受けたのですが、便検査(潜血)と頚部エコーによる甲状腺の所見(のう胞、実質が粗)があり、精密検査(大腸内視鏡&耳鼻咽喉科受診)を薦めるとの検査結果が出ました。
    本来は検査をした病院で受診するのが良いのでしょうが、その病院というのが隣街で車で4~50分掛かる距離にあります(職場の指定による)。
    一方、自分の街にも耳鼻咽喉科と大腸内視鏡を行える病院(地域の中核病院です)があり、こちらは車で数分で行ける距離です。
    大腸内視鏡がどれくらいの身体的負担になるのか分からず、人間ドックの検査結果を持っている遠くの病院か、身体的負担の少ない近くの病院かで迷っています。
    一般論として、医者から見た時、どちらが良いのでしょうか?よろしければお考えをお聞かせください

    返信
    1. けいゆう 投稿作成者

      医者によって考え方は違うのでしょうけれど、大腸内視鏡など一般的に広く行われている検査を受ける場合、私は自宅からのアクセスを優先するようお伝えしていますね。
      遠方に行って検査して結果を聞きに言って紹介状をもらって、など何往復かする可能性を考えると、遠方は何かと大変です。

      返信

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