私ががん治療認定医試験を受けたのは2016年ですが、現在もシステムは変わっていません。
2018年版として、更新しておきます。
対策のポイントと所感を書いていますので、ぜひ参考にしてください。
合格ラインの推移
2017年の試験は、
受験者数:1356名
合格者数:907名
合格率:66.89%
となっていました。
ちなみに2016年以前は合格ラインが発表されており、
2016年:40点以上が合格(60点満点)
2007年〜2015年:正答率70%以上が合格(つまり42点以上)
となっていました。
合格率は例年おおよそ60%台で、それなりに勉強していないとあっさり落ちます。
落ちても翌年受け直せば良いのですが、受験料(例年14000円)が無駄になります。
また、毎年全国1ヶ所でしか試験をしませんので、遠方の方は交通費と宿泊費がかなりかかります。
できれば一発合格を目指したいところです。
ではどのように対策すれば良いか?
順に説明していきます。
勉強法
認定医機構から例年、試験2ヶ月ほど前に公式テキストが送られてきます。
全ての問題はこのテキストから出題され、テキストに書いていないことは出ません。
よって、テキストが送られてきたら、ひたすらテキストを読んで勉強するだけでOKです。
ただ、問題集ではないので、やや勉強しづらく感じる人は多いと思います。
そういう方は以下の問題集を利用しつつ知識を確認するのも良いでしょう。
公式問題集ではないため同じ問題が出ることはありませんが、本番の問題にそっくりなので、イメージをつかむには有用です。
テキストは分野別に総論14、各論16の計30に分かれています。
総論は、がんの分子生物学から放射線診断、治療、統計学など多岐に渡っています。
各論は臓器別の各癌腫の疫学、診断、治療についてです。
試験は、各分野からまんべんなく(おおよそ2問ずつ)出題されます。
私は消化器が専門ですが、専門外の領域の化学療法などほぼ無知、というのが普通だと思います。
よって専門外の領域の問題は、きっちり勉強していないと全く得点できません。
セミナーについて
試験前日及び当日午前に講義があり、テキストの内容を専門の先生が順番に講義してくれます。
この講義がきわめて重要です。
講義中に寝てしまったら、敗北必至です。
前日は久しぶりに会った友人と一杯、というのは学会のお楽しみですが、今回ばかりは避けましょう。
ちなみに私が受講時、隣に座った男性医師が途中で瞑想状態に入り、さらに試験は20分程度で鉛筆をおいたので「こいつは神だ」と思いましたが、合格者一覧に彼の番号はありませんでした。
では、なぜこの講義が重要かというと、先生によっては「ここが大事です」と試験に出るところを暗に示してくれる人がいるためです。
ただし、講義時間に比して内容が膨大なため、相当なスピードです。
全員がマシンガントークを繰り広げるので、テキストを事前に通読しておかなければ、まずついていけません。
テキストを事前に1〜2周読み、だいたいの流れを把握しておき、講義中は先生の言うことを逐一テキストにメモしていく、というスタイルがおすすめです。
試験の実態
試験はマークシート式。
問題はA5サイズの小冊子で、60問。
全て名前を書いて、最後に回収されます。
経過時間は前のスクリーンに表示されるので、例年と同じなら時計は不要ですが、いつルールが変わるかわからないので一応持って行った方が良いでしょう。
ちなみに合格すると、認定書が立派なケースに入れられて翌年6月に郵送されてきます。
日程と会場について
今年は、日程と会場が例年から変更になっています。
日程は、2018年10月27日、28日、会場はインテックス大阪6号館Cゾーンとなっています。
例年より2週間近く早くなっていますので、ご注意ください。
(例年は11月2週目の土日、会場は幕張メッセでした)
準備するもの
大阪で大規模学会を行うなら、大阪国際会議場が選ばれるのが通例です。
今回あえてインテックス大阪が選ばれたのは、幕張メッセと同じく1000人以上の参加者を1箇所に集めて試験する、というスタイルを貫くためと予想されます。
よって会場の雰囲気はこれまで通りと推測し、以下の準備をおすすめします。
まず座布団は必須です。
だだっ広い会場に1000人以上がすし詰め状態で、しかもパイプ椅子に長時間座らなければなりません。
「俺は自分の尻には自信がありますから」
と言って私の忠告を無視した後輩は案の定悶絶していました。
これまでにみなさんが受けられた講義に比べると、かなり辛い環境だと思います。
注意してください(例年と同じパイプ椅子形式なら、という前提ですが)。
むろん大阪市内の100円ショップなどで座布団を買うのもアリです(会場徒歩圏内のトレードセンター駅前にダイソーがあります)。
また会場はだだっ広く、結構寒いです(幕張メッセではそうでした)。
調整できるよう上着等を持っていくのが良いでしょう(毛布を持ってきている人やダウンジャケットを着て講義を受ける人もいました)。
これまで通りなら、昼食は会場で1000円の弁当が売り出されるので、それで良いという人は持参しなくて構いません。
数に余裕があり、買える時間も長く設定されているので行列を作ることもありません。
ただ、2日間とも昼休みは十分設定されていますので、外食する手もあります。
おすすめの宿泊施設
学会と同じように、日程が近づくと認定医機構のホームページでも宿泊予約サイトがオープンになります。
しかし人気の高いところやリーズナブルなところは例年すぐに埋まってしまいます。
しかもインテックス大阪は大阪市内でもかなり不便なところにあるため、会場に近い所にはあまりホテルがありません。
ホームページの予約サイトがオープンになる前に、楽天トラベルなどの旅行サイトで予約しておくことを強くおすすめします。
私は大阪在住歴があり、インテックス大阪やその近辺へは何度も出向いた経験がありますので、おすすめの宿泊施設を紹介しておきます。
ぜひ参考にしてみてください。
高級志向の方
週末だと1名1室で1泊2〜3万円です。
会場から徒歩3分で最高の利便性、かつ高級感もあるシティリゾートホテルです。
金銭的に余裕のある方にはおすすめです。
週末だと1名1室で1泊18000〜20000円程度です。
地下鉄・JR「弁天町」駅より徒歩2分、会場の最寄り駅「中ふ頭」駅から12分(乗り換えあり)です。
車で15分以内の距離ですので、このホテルならタクシーの方が良いかもしれません。
ハイアットリージェンシーよりやや不便な分、値段は安くなりますが、それでもビジネスホテルに比べると高めの価格設定です。
リーズナブル志向の方
おそらくここが最も人気で、一瞬で売り切れると予想されます。
会場まで徒歩1分。
週末でも1泊1万円を切ります(素泊まりでおよそ9000円台)。
会場から徒歩圏内では唯一と言って良いビジネスホテルです。
リーズナブルにおさえたい方は、売り切れる前に予約することをおすすめします。
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