医学書は非常に高額です。
勤務医なら経費で落とすこともできませんし、全額自腹が普通でしょう。
何とか安く買う方法はないものか?
そう思う方は多いのではないでしょうか。
実は、医学書を割引価格で安く買う方法が5つあります。
それぞれの方法を、ニーズに合わせて使い分けるのがオススメです。
結論から書くと、以下のような使い分けが理想的です。
合計金額が1500円以上の時→民間医局に入会し民間医局書店を利用する(5%〜12%オフ)
学会会場で割引価格で購入したい時→神陵文庫優待会員を利用する(5%オフ)
電子書籍を割引価格で購入したい時→神陵文庫優待会員またはAmazonを利用する(実質5〜8%オフ)
大学病院の職員(または大学院生)→大学生協を利用する(一般的には10%オフ)
安さのみを追求する→ヤフオクを利用する
それぞれの方法と使い分けを詳しく解説していきます。
民間医局書店を利用する
民間医局とは、メディカル・プリンシプル社が運営する医師向け総合サービスです。
レジナビを主催しているといえば、誰もがよくご存じでしょう。
医師約28万人のうち11万人が民間医局会員ですから、かなり多くの医師が会員です。
その分、福利厚生が充実しており、民間医局会員の特典として、医学書を最大12%オフで購入できるサービス「民間医局書店」があります。
値段表は以下の通りです。
1500円以上の購入で送料が無料になりますが、医学書で1500円を下回るものはほとんどありません。
5000円以上で10%引き、3万円以上で12%引きと、かなりお得です。
高額な医学書の「12%」はかなり大きいので、ぜひ利用した方がいいでしょう。
購入の手順
①まずは、民間医局のホームページにアクセスし、「新規会員登録」をクリックします。
②必要事項を記入し、会員登録します。
※入会費、年会費は全て無料
なお、「ドクターズマガジンの購読を希望するかどうか」という項目がありますが、無料ですので購読をオススメします。
無料とは思えないくらい、内容は充実しています。
③民間医局書店にアクセス
右上の「保険/サービス」をクリック、「民間医局書店」をクリックします。
④購入したい本を選ぶ
民間医局書店で本を買うときは、本のIBSNコードが必要になります。
「IBSNコードって一体なに!?」
と思った方、全く難しくないのでご安心ください。
今から分かりやすく説明します。
たとえば、以下の本を手に入れたいとします。
アマゾンでその本のページに行くと「ISBN-10」というコードが見つかります。
これを民間医局書店の注文フォームに入力します。
入力後、「カートに入れる」をクリックするという流れです。
このプロセスで少しだけ手間がかかるのがデメリットと言えます。
ただ、割引率が非常に高いため、多くの本をまとめ買いする時は民間医局書店を利用すべきです。
民間医局書店では、書籍のほか、CDやDVDも同じ割引価格で購入できますので、これらを買う時も利用価値があります。
なお、民間医局書店で購入すると、届くまでに少し時間がかかる点だけご注意ください。
(在庫があれば数日、なければそれ以上のこともあり)
民間医局自体の入会は無料、年会費もかかりません。
書店以外にも福利厚生サービスは豊富にありますので、まずは入会しておくことをおすすめします。
民間医局書店について詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!

神陵文庫優待会員サービスを利用する
神陵文庫は、西日本を中心に広く展開する医学書専門の書店です。
学会会場に必ず書籍を売りに来ているので、東日本の方でもご存知の方は多いでしょう。
神陵文庫は、優待会員になると医学書が5%オフで購入できます。
優待会員には会費無料でなれますので、民間医局ほど安くはないにしても、それなりにお得なサービスです。
神陵文庫の店舗や学会会場で医学書購入時に、登録している口座から自動引き落とし、というシステムですので、店舗で買う際には便利です(カードは使えませんが)。
また、電子書籍サービスを展開する「医書.jp」と提携しているため、「医書.jp」で電子書籍を購入する際も、神陵文庫優待会員なら電子書籍に5%オフが適用されます(パートナー登録+決済会員登録が必要とやや手間はありますが)。
電子書籍派の人はこのサービスの利用価値は高いでしょう。
ただし、医書.jpで購入した電子書籍は、専用PDFリーダーである「isho.jp」アプリでしか読めない点に注意が必要です。
学会会場で実物を見て買う機会が多い、という人は優待会員になっておくと良いかと思います。
Amazonを利用する
Amazonで医学書を購入すればAmazonポイントが付与されるので、その分安価で購入したことになります。
通常は3%のポイント還元です。
「5冊購入で8%還元」といったキャンペーンもよく行われています。
1ポイント1円で使用できますので、上手に使えば医学書が安く購入できます。
また、Amazonプライム会員になっておけば、全て送料は無料、購入したものはほぼ翌日に届きます。
さらに送り先を病院の医局に設定しておけば、病院から一歩も出ることなく医学書が手に入ります。
この辺りのメリットを考えると、
書籍、CD、DVDをまとめ買い+あまり急がない→民間医局書店
少数の書籍+すぐに欲しい→Amazonでの購入
とするのが良いと思います。
大学生協を利用する
大学病院の職員だけですが、大学生協では医学書が10%オフで購入できることが一般的です。
時期によっては「羊土社の書籍は15%オフキャンペーン」のような企画もあります。
中身を確認してから買える、図書カードも使える、その上割引価格、と利点ばかりですので、大学病院の先生は大学生協を利用する以外の手はないでしょう。
ただ経験上、大学生協はやや品揃えが悪く、取り寄せが必要になることが多いのがデメリットです。
私が大きな国立大学病院に在籍していて感じた欠点ですので、全国的に同じ傾向ではないかと思います。
また、研修医の先生が購入するタイミングが重なる春の時期は、特に欲しい本が手に入りにくい傾向があります。
これらは大きなデメリットと言えるでしょう。
ヤフオクを利用する
定評のある人気の本は、ヤフオクで出品されていることもよくあります。
本によっては、定価の半分以下で手にいれることもできます。
また、読み終わったのち使用する予定がなければ、またヤフオクで売れば良いので、結果的にはこの方法が最も安価ということになります。
私はこれまでヤフオクで1500人以上の人と取引をしていますが、近年は手続きがスマホで完結するのでそれなりに便利です。
ただし、医学書購入の手段にするなら、手間は最もかかる方法です。
欲しい本が見つかっても、オークション終了が数日先だと、それまで入札して待たねばなりません。
欲しい人が他にもいたら結局価格は高くなります。
落札後も商品代と送料の振込等の手続きが必要です。
中には落札後のフットワークが重い出品者もいるため、取引に予想以上に時間がかかることもあります。
さらに、医学書はたいてい、厚さ3センチ以下なら185円で送れる「クリックポスト」(日本郵政のサービス)が利用されます。
発送後自宅に本が届くまで、近隣でも2、3日と比較的時間のかかる発送方法ですので、トータルするとかなりの時間を要してしまいます。
とにかく値段だけを重視したい、という方のみ、おすすめできる方法です。
まとめ
最初に書いた使い分けをもう一度書いておきます。
合計金額が1500円以上の時→民間医局に入会し民間医局書店を利用する(5%〜12%オフ)
学会会場で割引価格で購入したい時→神陵文庫優待会員を利用する(5%オフ)
電子書籍を割引価格で購入したい時→神陵文庫優待会員またはAmazonセールを利用する(5〜8%オフ)
大学病院の職員(または大学院生)→大学生協を利用する(一般的には10%オフ)
安さのみを追求する→ヤフオクを利用する
なお、医学書を買う際は、本棚に眠っている学生時代の本など、いらない医学書は売ってしまいましょう。
以下の記事に、医学書を高く売る方法をまとめています。
