厳選7冊!英語論文の書き方と医学統計を学ぶ医師におすすめの本・参考書

医師が論文を書くための参考書は、書店に行けばおびただしい数が並んでいるが、どれを選べばいいのか全くわからないということが多い。

また勤務医は日常業務が忙しく、詳しい本を買っても結局読む暇がなく、本棚に眠らせているというケースもあるかもしれない。

医師にとって論文執筆は大切な仕事だが、かといってその方法を専門的に学ぶ時間もなければ気力もない。

勤務医が忙しい業務の合間にいかに効率よく論文に関する知識を得て、手早く論文執筆を行うか、という観点で書籍を選ぶ必要があるだろう。

私自身も偉そうに書籍を紹介できるような立場にはないが、英語論文の執筆・出版を重ねる中で多くの本を参照したので、これから英語論文を初めて書く、あるいは良い本が見つからないという際に参考にできそうな書籍を、あくまで一勤務医の立場からここでご紹介したいと思う。

なお、このページは英語で原著論文を書くのにためになる本に特化して選んでいる(症例報告は3本ほどしか書いたことがなく、私は症例報告に関する書籍を紹介できる立場にない)。

 

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医学統計

全3巻のシリーズ物である。

イラストが多く文字も大きく、厚さの割にはあっという間に読めるので、書店で手に取っても「子供だましの本か」と敬遠する方がいるかもしれない。

だがこのシリーズ、医学統計の基礎を理解するのに最も少ない労力で最大の効果を得るという、凄まじいコストパフォーマンスを実現している素晴らしいシリーズである。

Amazonのレビューでも、発売当初からどの巻も高い評価を維持している。

できれば統計学の高尚な本は読まずに知識を効率よく身に付けたいという方にとっては最適の本と言えるのではないかと思う。

いや、むしろ「基礎」といえるかどうか、というくらいしっかりした統計知識が網羅されていると言っても過言ではない。

これ以上の知識を身につけるのに、高尚な本での「独学」が最適かどうか、という疑問もあるくらいだ。

論文を書くのに最初にとるべき本としては最適のシリーズであると考える。

なお、私はある程度経験を積んだのちこのシリーズを通読したのだが、それでも自分が統計を正確にわかっていなかったことを痛感した。

よって対象は初心者のみというわけではないだろうと思う。

どの巻も必要な事項なので、シリーズ3冊とも購入して一気に通読してしまうのがおすすめである。

 

論文の書き方

京都大学の疫学分野で教鞭を執ったのち、現在は兵庫医科大学の教授をされ、多方面で活躍されている森本剛先生の著書。

cover letterの書き方を含め全て具体的に書かれているので、論文を作成する際に何度も見返すことができ、非常に便利な一冊。

また本自体は比較的薄く、内容は簡潔である。

この本の最大の特徴は、実際に著者が教室の学生あるいは医師の英語論文を添削する、というコーナーに多くのページを割いているところだ。

タイトルの通り、査読者がどんな風に論文を読み、どういうところに突っ込みを入れるのかが非常によく分かる。

ある程度論文執筆経験がある方でも必ず持っておきたい一冊である。

 

東京大学でDPCなどのビッグデータを用いた論文を、おびただしい本数出版されていることで有名な康永秀生先生の著書。

こちらも本は薄いが内容は具体的で非常にわかりやすい。

文体も読みやすく、通読は容易である。

こちらは、cover letterの書き方はおろか、論文投稿後にreviewがなかなか返ってこなくて困ったときの催促のタイミングや方法が、実際のメールの文例まで含めて書かれてあるなど、驚くほど痒い所に手が届く本である。

実際私もこれを用いて査読の催促をしたことがあり、こちらも論文作成時に何度も見返す本である。

また、一生懸命書いた論文があっさりrejectされるというのは何度経験しても辛いものだが、そのときの対応(心の持ちよう?)も書かれてあって非常にためになる。

英語表現についても、文法的見地から具体的な解説があり、至れり尽くせりの一冊。

上述の本と併せて、強くおすすめできる一冊である。

 

臨床研究

京都大学教授、福原俊一先生の著書。

医師が書く全ての臨床論文は「臨床研究」である。

こちらは論文の書き方ではなく、臨床研究臨床統計にまつわる知識をわかりやすく説明した本。

この分野は、なんとなく分かったようで説明しようとするとうまく説明できないようなワードが多い。

 

信頼性妥当性

リスク比オッズ比

記述研究コホート研究ケースコントロール研究横断研究・・・

バイアスの種類、p値95%信頼区間・・・

 

こういう知識を学ぶために、うっかり詳しすぎる本を買ってしまって失敗した経験をお持ちの方は多いのではないだろうか。

私も臨床研究に関する本は多数読んだが、はっきり言ってこれほど分かりやすい本は他にない、というくらい分かりやすい。

この本を読めば、こういった知識が全て整理でき、頭のもやもやがスッキリする。

本は薄いし文体も非常に読みやすい。

決してマニアックな本でなく、どちらかといえば入門者がとっつきやすいタイプの本である。

私はすでに何本か論文を書いた後にこの本を手にし、これまでの自らの考え方に多くの誤りがあったことに気づいて思わず赤面してしまった。

どんな原著論文を書く方も必ず必要な1冊であると思う。

 

統計ソフトの使い方

こちらは番外編。

私は、JMPを好んで用いているため、それ以外の統計ソフトに関する書籍はご紹介できない。

よってJMPを同じく使用している、あるいは使用する予定の方は、この本を強くおすすめする。

語弊を恐れず言うなら、医師が原著論文を書くにあたって統計学の知識を深く詳細に知っておく必要はない。

自分がやりたい統計解析にどの検定を用いれば良いのかが分かっていれば、その先は統計ソフトに任せることになるからだ。

この本は、具体的な医療データベースを用いて、よく行われる解析の具体例を挙げた上で、その際の検定の選び方JMPをどのように操作するのかが実際の画面を用いて全て書かれてある。

JMPを用いる医師には必須の一冊である。


おすすめの書籍を紹介するなど恐縮なのだが、論文の非専門家である一勤務医が英語の原著論文を書くなら、という目線で選んでみた。

少しでもお役に立てましたら幸いです。

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