頭痛は、ありふれた症状です。
風邪をひいたり、疲れたとき、ストレスなどで、大きな病気でなくとも、頭が痛くなったり頭が重いことがあるでしょう。
習慣的に頭痛薬を飲まれている方もいるかもしれません。
ですが、時にクモ膜下出血や髄膜炎、急性緑内障発作など、「危険な頭痛」のことがあり、頭が痛い時はそれを心配される方も多いかと思います。
また、緑内障や副鼻腔炎など、頭以外の病気がしばしば頭痛の原因になることもあります。
これらは診察しなければ区別することは難しいですが、症状に関しては、これから解説する4つのポイントを確認しておきましょう。
特に1と2は大切です。
このページの末尾にあるチェックリストを受診前メモとしてご利用ください。
※これはあくまで「医師に自分の症状をどのように説明するか」をサポートするチェックリストです。症状だけで病気を診断することはできません。必ず医師の診察を受けましょう。
1. どんな始まり方でしたか?
■突然始まった(何をしていた時に始まったかを言える)
■ゆっくり始まった
突然発症の頭痛は、頭蓋内の出血(脳出血やクモ膜下出血)などの命に関わる「危険な頭痛」のことがあります。
「◯◯をしている最中に痛くなった」とか「◯時◯分に痛くなった」というような正確な瞬間がわかる場合は、突然始まった頭痛と見なされます。
一方、髄膜炎のような炎症が原因の病気は、ゆっくり始まることが多いです。
もちろん髄膜炎も「危険な頭痛」の一つです。
その他、 片頭痛や群発頭痛、緊張型頭痛など、いわゆる「機能性頭痛」と言われる頭痛は、時に突然始まることもありますが、クモ膜下出血の「バットで殴られたような」と時に表現されるような突発性はないのが普通です。
2. 今まで同じような頭痛を経験したことがありますか?
■今までに何度か同じ頭痛を経験したことがある
■今までで経験したことがないほど痛い
「今まで経験したことのないほど痛い」とか、経験したことがないほど持続時間が長い、などの場合は「危険な頭痛」のことがあります。その場合は必ず、そう説明しましょう。
ゆっくり始まった頭痛でも、これまで体験したことがないほど痛いものは、髄膜炎や脳炎などの「危険な頭痛」のことがあります。
一方、片頭痛や群発頭痛、緊張型頭痛など、いわゆる「機能性頭痛」と言われる頭痛は、頭の中に大きな病気がなく、内服薬でコントロールできることが多いものです。
こういう頭痛は、同じタイプの頭痛発作を繰り返すことが多いです。
3. 痛い場所はどこですか?
■全体
■後頭部
■側頭部
■前頭部
片側の側頭部(こめかみ)の場合、片頭痛や群発頭痛、緑内障、後頭部の時は緊張型頭痛、前頭部なら副鼻腔炎のことがあります。
緑内障発作は、放置すると失明に至る非常に危険な病気です。
一方、クモ膜下出血や脳出血、髄膜炎は、頭全体が痛くなることが多く、部分的に痛いということはまれです。
部分的に痛い場合は、痛みの場所を自分の指でさせるようにしましょう。
4. 痛くなる動作やきっかけはありますか?
■ある
■ない
特定の体位で痛い(「前傾姿勢をとると痛い」「触れると痛い」など)ことがあれば説明しましょう。
前傾姿勢で痛い場合は副鼻腔炎や頚椎症のことがあります。
また片頭痛は、女性の場合は生理前や生理の時に悪化することがあり、避妊薬や血管拡張薬などの副作用で頭痛が生じることもあります。
痛みが生じるきっかけがあれば説明しましょう。
「頭痛」受診前メモ
1. どんな始まり方でしたか?
突然始まった ゆっくり始まった
2. 今まで同じような頭痛を経験したことがありますか?
ある ない
3. 痛い部位はどこですか?
全体 後頭部 側頭部 前頭部
4. 痛くなる動作やきっかけはありますか?
ある ない
※スクリーンショットなどで受診時にお使いください。PCの方:Windowsの方はPrint Screenボタン、Macの方はshift + command (⌘) + 3でスクリーンショットできます。
他の症状をチェックする場合は以下の記事へ
病院で症状をうまく医師に説明する方法/13の症状とチェックリスト