自分の痛みを病院でうまく医師に説明する6つの方法

どこかが「痛い」という症状で外来を受診する人は多いでしょう。

頭が痛い

お腹が痛い

胸が痛い

足が痛い

など、様々な痛みで受診された経験が誰しもあると思います。

しかし、すごく「痛い」のにそれをうまく伝えられず、もどかしい思いをしたことがある人は多いのではないでしょうか?

 

私の経験上、痛みで受診する患者さんは「いかに痛いか」ということを伝えたい思いがとにかく強いように思います。

確かに、医師にとって「痛みの程度」は重要ですが、実は知りたい情報のほんの一部にすぎません。

「痛くて仕方がない!」という症状のひどさを強調するより、もっと有効に痛みを伝える方法がありますので、それを紹介したいと思います。

 

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痛みについて医師が知りたい6つのポイント

痛みについて医師が知りたいと思っているポイント決まっています。

以下の6つです。

私たちはOPQRSTと英語で覚えていますが、医学英語を使い慣れていない方はかえって覚えにくいと思いますので、アルファベットは気にしないでください。

O onset:どんな風に発症したか

P palliative/provocative factor:どうすると痛みが軽くなる/強くなるか

Q quality/quantity:どんな種類の痛みか

R radiation, region:痛みの場所、放散するか

S severity:痛みの強さ

T time course:時間経過

それぞれ具体的に説明していきましょう。

 

どんな風に発症したか

どこの痛みでもそうですが、突然発症する場合は危険な病気であることが多い傾向にあります。

「突然」というのは、何をしている時に発症したか、というのをかなり細かく言えるという意味です。

たとえばクモ膜下出血は頭痛が突然起こる代表的な疾患ですが、典型的なケースでは、

「何をしている時に痛くなりましたか?」

と尋ねると、

「テレビを見ている時」

ではなく、

「テレビドラマのこのセリフの時」

というくらい細かく言えたり、「何時何分に」と「分」まで正確に言えます

逆に医師が「突然痛くなりましたか?」と聞く場合は、こういう現象があったかどうかを想定しています。

逆に「いつ」とはっきりは言えないが「徐々に痛くなってきた」という場合もあるでしょう。

その場合も「痛みの始まり方」が大切ですので、きっちり説明しましょう。

 

どうすれば痛みが強くなる、あるいは軽くなるか

たとえばお腹の痛みが食事と関係があるか、などです。

空腹時にひどい、食後にひどい、食事とは関係なくひどい、などがないかどうか確認してみましょう。

他にも時間帯と関係があるか(夜にひどい、朝起きた時がひどい、など)、体の動きと関係があるか(体をひねると痛い、歩くと痛い)、といった具合です。

突然聞かれても答えにくいと思いますが、事前に意識していれば答えやすいでしょう。

もちろん「何をしても痛い」ということもあるでしょうから、そういう場合はそのように伝えれば良いと思います。

 

どんな種類の痛みか

重い痛み、キリキリする痛み、ジンジンする痛みなど、痛みの性質を説明します。

たとえば心筋梗塞の患者さんは、「ゾウに踏まれたような」というほどの重苦しい胸の痛みを訴えます。

クモ膜下出血は、「バットで殴られたような」という突発的な激しい痛みが特徴的です。

このような極端な痛みの表現は難しいと思いますが、ある程度痛みの性質を言葉で説明できると良いでしょう。

 

痛みの場所と放散

痛みの部位を正確に伝えること、またそれがどのくらいの範囲に広がっているかを説明することが重要です。

「放散」とは、痛みの範囲の広がりのことです。

お腹が痛いとき、指で指せるくらい狭い範囲なら体表の痛みの可能性があるし、広い範囲なら内臓の痛みを想定します。

(もちろん帯状疱疹のように範囲は広いが体表面の痛みということもありますが)。

心筋梗塞の胸の痛みは、ときに肩や喉に放散する(広がる)ことがあり、肩こりのような痛みを訴えることもあります。

 

痛みの強さ

痛みの強さを説明する時のポイントは、

「これまで経験したことがないような痛みかどうか」

を伝えることです。

たとえば頭痛のとき、クモ膜下出血や脳出血、髄膜炎など危険な頭痛の場合、「これまで経験したことがないほど痛い」となるのが普通です。

一方、片頭痛などは、同じ種類の頭痛発作を繰り返す病気です。

「すごく痛い!」

と強く伝えるより、

こんな痛みは初めてか?

以前にも同じような痛みを経験したか?

ということを伝えることが大切でしょう。

また経験したことがあるなら、その時はどうして治ったか、医師に何と言われたかも合わせて説明できる良いでしょう。

 

時間経過

痛みの時間経過を説明する上で大切なポイントが2つあります。

「いつから痛いか?」

「悪くなったり良くなったり、という痛みの波があるか?」

ということです。

たとえば「1年前から同じくらいずっと痛い」という場合は、慢性的な痛みなので、急性発症の危険な病気である可能性は低くなります。

お腹の激痛で腹膜炎を疑っていても、

「1時間前は激痛だったけど、痛みに波があって今は全く痛くなくなった」

という場合は、その可能性は低くなります。

(もちろん診察すれば「やっぱり痛い」となる場合もあります)

発症したタイミングと、発症してから今までの痛みの変化を説明すると良いでしょう。

 

以上6点が、痛みについて医師が知りたいポイントです。

痛みで辛い時に多くのことを冷静に伝えるのは難しいと思いますが、「一般的に何を聞かれるか」がわかっているだけでも、安心感はあると思います

このサイトでは、各部位の痛みだけでなく、吐き気やむくみ、手足のしびれなど、13種類の症状について「何を聞かれるか?」をまとめています

ぜひブックマークに入れて受診時に活用してください。

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