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【中高生向け】医学部ってどんなところ?医師になるためには何をすればいい?

今回は、

医師になるにはどうすればいいの?」

「医学部ってどんなところなの?」

そんな疑問を持つ中高生のために、医師になるまでの道のりを簡単に紹介したいと思います。

 

医師になるために必要なこと

医師になるためには、大学に行き、医学部を卒業しなければなりません

日本には大学が800校近くあるようですが(*)、そのうち医学部があるのは82校だけです。

このうちのどれかに入学することになります。

 

医学部のある大学は、北海道から沖縄まで、全ての都道府県にあります

もっとも多いのは東京で、10校以上あります。

(*) 文部科学統計要覧

 

ちなみに、医学部を卒業しても歯科医(歯医者さん)にはなれません

歯科医は、歯学部という別の学部を卒業した人がなれる職業です。

「医師」と「歯科医」は似ているけれど別の仕事。

ここは誤解しないようにしてくださいね。

 

どの医学部を選ぶか?

82種類ある医学部からどこを選ぶのかは、人それぞれです。

 

地元にある大学を選ぶ人もたくさんいます。

ただ医学部によって入学しやすさ(偏差値)が違うので、自分の学力に合わせて選ぶという人も多く、地元から遠いところにある医学部に入学する人もいます。

これは医学部に限った話ではありませんね。

 

大学によって受験のしくみが違うので、それを見て選ぶ人もいます。

たとえば、大学によって受験に必要な科目が違います。

得意な科目が含まれていなかったら、戦いが不利ですよね。

 

大学によってかかるお金(学費)も違います。

1年の学費がおおむね50万円台の国公立大学から、1年あたり数百万円かかる私立大学まで幅があります(私立でも例外はあり)。

家庭によって学費にあてるお金は違うので、その点も大学選びに影響します。

 

中には「地域枠」といって、卒後はその大学がある地域で働くことを前提に奨学金が貸与される制度があるところもあります。

これも、大学選びの一つの基準になります。

 

大学によって学部の数は違う

医学部以外にもいろいろな学部がある大学

と、

医学部や看護学部など医療関係の学部しかない大学

があります。

 

医学部以外にも、工学部や理学部、文学部、法学部など、さまざまな学部がある大学は、総合大学と呼ばれることもあります。

医療系の学部以外の学部がないところは「〇〇医科大学」のような名前が付いているところも多いですが、そうでないところもあります。

 

医学部はどんなところ?

医学部は6年間あります(歯学部、獣医学部と、薬学部の一部も6年)。

他の多くの学部が4年間なので、医学部だと大学生の期間が2年間長くなるのですね。

 

最初の4年間は、医学のいろいろな知識を幅広く学んでいきます。

中学・高校で、国語、算数、理科、社会、体育、音楽・・・と色んな科目があるように、医学部にも、

解剖学、生理学、微生物学、神経学、薬理学・・・といった基礎医学から、

循環器、消化器、呼吸器、脳神経、血液・・・といった臨床医学まで、

ものすごくたくさんの科目があります。

これを4年間で学習します。

 

最後の2年間は病院の実習が大半で、最後に各科目の卒業試験があります。

たくさんの科目の試験を2、3ヶ月に渡って受け続け、全てに合格すれば卒業できます

この期間の勉強はかなり大変です。

 

国家試験を受ける

医学部の6年間を無事に終えられると、医師国家試験を受けることになります。

この試験に合格すれば医師免許が与えられ、ようやく医師になれます。

 

医師国家試験は、例年2月にあります。

医学の全分野にわたる問題が出るので、この試験もかなり大変

がんばって勉強しないといけません。

 

ちなみに、医師免許を取ったら多くの人は病院に就職し、研修医になります(そうでない人もいますが)。

就職先は、一般的には6年生の夏から秋に決まります。

いわゆる就職活動がこの時期に行われるのですね。

 

医学部の中に独自の部活がある

医学部の中には、独自の部活があります。

医学部野球部、医学部テニス部、医学部サッカー部、といった具合です。

 

医学部しかない大学ならそうなるのは当たり前ですが、総合大学でも同じです。

たとえば総合大学の医学部に入って野球をやりたいと思った学生は、全学野球部(普通の野球部)と医学部野球部の2つから選ぶことになります(かけ持ちもできます)。

 

運動部の場合は、全学の部活に入ると4年生までしか試合に出られないというデメリットがあります(何らかの方法で続ける人もいますが)。

一方、医学部の部活に入れば6年生まで続けることができます。

 

医学部の部活なら、試合はやはり医学部の部活同士でやります

東日本、西日本でそれぞれ大きな大会があり、東日本医科学生総合体育大会(東医体)、西日本医科学生総合体育大会(西医体)と呼ばれています。

(部によっては全国で行う全日本医科学生総合体育大会(全医体)もあります)

 

参加者はほぼ全員が医学生です。

ちょっと異様な光景ですね。

もちろん部活に入らない人もいますし、人それぞれです。

 

医師になるまでの道のりを、ごくごく簡単に説明してみました。

ご興味があれば参考にしてみてください。

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