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第2回”SNS医療のカタチ in TOKYO”を開催しました

2月10日、「第2回 SNSが作る新たな医療のカタチ in TOKYO」を開催しました。

2018年12月13日に大阪で開催した第1回を、同じコンセプトで東京で開催したものです。

第1回 “SNS 医療のカタチ” in 大阪を開催しました

 

ありがたいことに、前回開催終了後に複数の企業の方から、開催に協力したいというお声がけをいただきました。

今回は、その中の一つであった看護師向けメディア「看護roo!」にご協力いただき、150名以上収容可能な会場で開催することができました。

参加者は約110名と、前回同様盛況に終わり、大変感謝しています。

 

当日の雰囲気や感想を知るには、Twitterで「#SNS医療のカタチ」というハッシュタグで検索をかけるのが一番です。

十分すぎるほどたくさんの、臨場感溢れる感想を読むことができます

 

この記事では、私が話した内容を中心に会の流れを紹介します。

会のコンセプト

医師と患者間には、常に大きな垣根があります。

医療に関する疑問を医師に質問したいと思っても、外来ではなかなか簡単に質問できる雰囲気ではありません。

また、医療の情報は専門性が高く、医師ー患者間に情報の格差(非対称性)があり、これがコミュニケーションエラーの原因になることもあります。

こうした状況を変えたい、というのが、私のかねてからの願いです。

 

この会は、こうした意欲を持つ先生方と、Twitter経由で立ち上げた市民公開講座です。

Twitterでつながった非医療者(あるいは他の医療者)を対象に、オフラインで医療に関する情報交換を気軽に行う、というのが目的です。

 

今回も、私けいゆう、大塚先生()、ほむほむ先生の順に、それぞれプレゼンテーションを行なったのち、トークセッションで会場からの質疑応答を行いました。

 

プレゼンテーション

まず私の方から、外来で患者さんがよく誤解していると感じるポイントを5つ挙げ、解説してみました。

扱った疑問は、以下のようなものです。

・解熱剤で熱は下げない方がいい?

・腫瘍マーカーでがんは見つかる?

・インフルエンザは検査でわかる?

・熱が出たら体は冷やした方がいい?

・長生きしたいならがん検診?

 

医師と患者間での情報量に格差があるのは、医療に関する情報は専門性が高いからだ、とよく説明されます。

私は、これは半分は正しく、半分は間違いだと思っています。

なぜなら、

「少しの時間をかけて説明すれば誰でも簡単に理解できるくらい難度の低い情報」

も医療においてはたくさんあるからです。

医師ー患者間の情報格差は、専門性の高い情報だけで形成されているわけではないということです

 

よってこの問題は、医師から非医療者に情報を伝える機会やツールがあればある程度は解決します

私がSNSやブログ、連載記事などで目指すのは、こういう「簡単なのに知らないからみんなが損をしている情報」を伝えることです。

難しい情報をたくさん知っていただくことが目的ではないし、その必要もないと思っています。

 

このセッションではその後、

大塚先生から、医師として患者さんと接する時の姿勢、ご自身の行動に影響を与えた経験に加え、ご専門である皮膚疾患の話があり、

ほむほむ先生からは、ご自身の専門分野であるアレルギーに関して、分かりやすく噛み砕いた講義がありました。

一人の持ち時間はそれぞれ30分でした。

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トークセッション

Twitter画面をスクリーンに投影し、当日限定の専用アカウントを使って会場から質問を募りました。

実は今回、参加者の中に出版社やメディア関係の方が非常に多く、情報の扱い方や発信方法に関する質問が多くありました。

その一部を紹介します。

 

まず、

Twitterで信頼性の高い情報を発信する医師をフォローしたいが、どう選べばいいのか?

という質問がありました。

これに対する私の答えを簡単に書きます。

 

そもそも、「全く間違いを犯さない人間」というのは存在しません。

誰しもヒューマンエラーから免れることはできません。

ですから、「間違いを犯さない人だけをフォローする」ということは現実的ではありません

 

ただ、Twitterでは多くの人の監視の目があります

間違った情報が、多くの人の誤解を生み続けながら生き残る、ということが起こりにくい

これはTwitterの自浄作用であり、ブログなどウェブ上で自由に更新できるメディアの記事とは大きく異なるメリットです。

 

したがって、まずは多くの医師をフォローし、さまざまな情報を収集するとともに、どんな情報にどんな反論が起こるのかを知ることができれば、リテラシーの向上に繋がると考えます。

そして、日々情報を受信する中で、自分と親和性の高い人を残していけばいい、と思います。

 

また、

なぜ根拠の乏しい医療に傾倒してしまう人がいるのか?

といった質問もありました。

私は、その答えは単に、「そういう医療を普及したいと考える人の方が発信が上手だから」だと考えています。

患者さんの話に親身になって耳を傾け、悩みに共感し、説得力のある解決策を提示できるからでしょう。

 

私は、こうした人たちを直接的に批判するのは得意ではないので、

「同じくらい説得力のあるやり方でアプローチをし、同じくらい質の高いコンテンツを作る」

という方法をとりたいと思っています。

他人の発信を止めることは困難です。

むしろ、人心を集めるノウハウを盗み、それを生かして自分の持つ情報を発信し、あとはユーザーに選んでいただくだけ、という環境を作ることが、私にとっての現時点の目標です。

 

アンケート結果

前回ほど回収率は高くなく、お答えいただいたのは54名でした。

性別

 

年齢

 

職業

 

満足度

 

分かりやすさ

 

この後、自由記載で様々なご意見をいただきました。

今後の参考にし、さらに良い会を作っていきたいと考えています。

次回は夏頃、また別の地域での開催を予定しています。

ひとまずは、無料で自由に参加できる会として継続したいと考えています。

ぜひお楽しみに!

(※今回、看護roo!のスタッフの方々には会場を使用させていただけただけでなく、ボランティアスタッフとして協力していただきました。大変感謝しています。なお、開催の主体は私たちですので、もちろん講演料等は一切もらっておらず、利益相反もありません)

 

前回のレポはこちら!

第1回 “SNS 医療のカタチ” in 大阪を開催しました

 

会終了後に看護roo!から取材を受けたものが以下の記事になっています。

看護師のお悩み「医師とのコミュニケーションでモヤモヤする」について現役医師3人に聞いてみた!