大腸がん検診で早期発見!便潜血と大腸カメラで早く見つける方法

みなさんの周りには、大腸癌になった、大腸癌で手術をした、再発をして抗がん剤をしている、といった方が非常に多いのではないでしょうか?

現在の我が国では大腸癌は非常にありふれた病気です。

国立がん研究センターの統計によると、2017年の予測癌罹患数男女総合の第1位は大腸癌です。

しかし、大腸癌の予防法や予防薬といった、明確な大腸癌にならないための方法は現時点では見つかっていません。

現代の医学では、一部の遺伝性の大腸癌を除き、大腸癌が起こる原因がほとんどわかっていないからです。

 

では大腸癌に対して私たちはどのように対処すれば良いのでしょうか。

答えは一つ。

検診による早期発見

これだけです。

大腸癌は、初期の段階ではほとんど症状はありません。

したがって、初期の段階では検診以外に大腸癌を見つける方法はありません。

大腸癌など消化器癌は私の専門分野でもあるので、他のサイトにはあまり書かれていないことも含め、わかりやすく解説します。

 

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早期発見に使えない検査

まず「この検査では早期発見できませんよ」という話から始めます。

なぜなら、私が日常診療をしていて、この点で誤解をされている方が非常に多いからです。

この項目がこの記事で最も大切と言っても良いでしょう。

 

腫瘍マーカー

大腸癌の腫瘍マーカーは2種類あります。CEACA19-9です。

血液検査で簡単に調べることが可能なので、「腫瘍マーカーを調べて、もし異常なら精密検査をしたい」と言われる方が多くいます。

残念ながら、腫瘍マーカーは、大腸癌の早期発見には全く力を発揮しません

なぜなら、初期の癌の場合、腫瘍マーカーはほぼ必ず正常値だからです。

腫瘍マーカーが異常を示すくらいであれば、それはそれなりに進行した癌があることを示します。

「異常になったら考えよう」では早期発見はできないということです。

 

PET、CT、MRI(画像検査)

これも患者さんに非常に多い誤解です。

特にPET(ペット)については、「便利でどんな癌でも見つけ出せる検査」と誤解している方が非常に多いと感じます。

PETCTMRIも、大腸癌では早期の小さなものは検出できません(他の癌は別です)。

早期発見を考える場合、「PET検査で正常でした」では何も解決しません。

CTやMRIでも同じです。

これらは大腸癌の早期発見には使えない検査です。

 

では早期発見のために重要な検査とは何でしょうか。

それは以下の二つの検査です。

 

便潜血検査

明らかに血便が出ている(目に見えて便に血が混じっている)という場合は、すぐに病院に行かなくてはなりませんが、わずかな血が混じっている場合は目で見てもわかりません。

便潜血検査(便検査)は、こうした目に見えないわずかな出血を検出することができます。

毎年便潜血検査を受けることで、大腸癌による死亡が60%減少するというデータもあります。

便潜血検査は大腸癌の早期発見に最も大切な方法で、全国の大腸がん検診に用いられています。

 

大腸がん検診何歳からどこで、どのくらいの頻度で受けられるのか、知らない方もおられるかもしれません。

対象年齢40歳以上で、地方自治体年に1回受けることができます。

また検診の費用は自治体によって様々ですが、およそ300円程度と非常に安価です。

お住まいの地域の役所のホームページで詳細を知ることができますので、ご確認ください。

必ず受診するようにしましょう。

 

ただし、便潜血検査は万能ではありません。

癌以外からの出血と見分けがつかないからです。

たとえば、痔核(いわゆる「(ぢ)」)がある方の場合、肛門からの出血によって便潜血検査の結果が影響を受けてしまいます。

わずかな出血で便潜血が陽性(異常あり)となったとき、「痔のせいだ」と考えがちです。

便潜血検査では識別ができなくなります。

ではこのような場合、どうすれば大腸癌を早く発見することができるのでしょうか。

それが、次に挙げる、大腸内視鏡検査、いわゆる「大腸カメラ」です。

 

大腸内視鏡検査

内視鏡検査は非常に有用で、全大腸内視鏡検査で大腸癌を見つけられる確率は95%以上とされています。

ヒダの間に隠れて小さなポリープや癌が見えないこともありますが、直接カメラを入れて、大腸の全領域を観察するわけですから、便潜血検査で間接的に見るより確実です。

通常、上述の便潜血検査陽性の場合、精密検査として大腸内視鏡検査を行います。

多くの早期癌は、この内視鏡検査によって診断がつきます。

一方、大腸内視鏡検査にも欠点はあります。

 

時間と手間がかかる

大腸カメラを受ける場合は、前日昼から食事制限(消化の良いものを少量摂取)があります。

また、寝る前に下剤を飲み、何度か夜間に排便した上で、さらに検査当日に2Lの強力な下剤を2〜3時間かけて飲み、大腸を空っぽにします

検査自体は、観察だけであれば15〜20分程度で終わりますが、ポリープなどを一緒に切除したりする場合はもう少し長くなります。

お腹の手術をしたことがある方の場合は、大腸の癒着などが原因でカメラが通りにくく、時間がかかる場合もあります。

大腸の内視鏡検査について詳しくはこちらにまとめています

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は痛い?下剤は辛い?鎮静必要?

 

一定の確率で合併症(偶発症)が起こる

確率は低いですが、カメラを直接大腸の中に入れて動かすので、大腸の壁に傷がついて出血したり、壁に穴があいて手術をしなくてはいけなくなったり、という合併症が生じ得ます。

一つ目の便潜血検査が全く無害の検査ですが、大腸内視鏡は一定のリスクを伴うことになります。

 

大腸癌は40歳頃から増加し、60歳台で最多になります。

40歳以上の方で検診を受けたことがない方は、まず自治体で行っている大腸がん検診を受けましょう。

なお上述したように、地域の大腸がん検診は便潜血検査だけですので、大腸カメラを受けることはできません。

最初から大腸カメラを受けたいという方は、人間ドックなどを利用することになります。

最近ではインターネットで予約ができるところもありますので、参考にしてください。

 

上記のような検診を受けて、大腸がんが早い段階で見つかると、場合によっては手術をせずに内視鏡で治療することができます。

※この記事は国立がん研究センターがん情報サービス(医療関係者向けサイト)および大腸ポリープ診療ガイドライン(日本消化器病学会)を参考に作成しています。

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大腸がん検診で早期発見!便潜血と大腸カメラで早く見つける方法」への2件のフィードバック

  1. 大久保 由美子

    先日の内視鏡検査で大腸がんが見つかり、いろいろネットで調べていますが、こちらのサイトが一番わかりやすいと思いました。これから精査・手術に臨みますが、よい情報が入手できたと思います。ありがとうございました。

    返信
    1. keiyou 投稿作成者

      大久保由美子さん
      そう言っていただけて本当に嬉しく思います。
      大久保さんがこれから精査、手術をされる中で、このサイトに足りない情報があればまたコメントいただけたらと思います。
      ネットで検索して上位に出てくるようなページの中には、あまりに分かりにくいものが多く、多くの方にとってベストな情報は提供されていないと私も感じています。
      今後ともぜひこのサイトを愛用していただけたと思います。
      よろしくお願いいたします。

      返信

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