「劇場版コード・ブルー」の完成披露試写会に招待していただきました。
上映前にキャストの方全員と西浦監督が壇上で舞台挨拶をされ、上映後再びキャストの方々から挨拶がありました。
上映後は「ネタバレあり」の挨拶で、2時間以上の間を空けて2度も姿を見せてくれたことに驚きました。
さて、今回はまず「完全ネタバレなし」で映画を見た感想を書いてみたいと思います。
徹底ネタバレ解説はこちら!
1st〜3rdのあらすじ総まとめはこちら!
上映後の感想
まずのっけから激しい救急処置シーンに、医師である私ですらついていくのが難しいほどの専門用語の嵐、そして全く詳細な説明はなし、という怒涛の展開に、
「コードブルーが帰ってきたな」
と思わされます。
専門家でないとセリフの正確な意味はわからないのですが、これがコードブルーの醍醐味です。
まさしく、リアルな医療現場そのものです。
舞台挨拶で椎名桔平さんが、「コードブルーはそもそも映画でやるべきドラマだったんじゃないか!?」と言われていましたが、まさにその通りだと感じました。
ヘリが大音量で上空を飛び、それをあらゆる角度から撮影するシーンは映画でこそ迫力が伝わりますし、大画面での災害現場の映像にも圧倒されます。
また、1stから見ていればこそ意味が分かるセリフや行動がたくさんあります。
まさに「10年間の集大成」という感じで、コードブルーとともに医学の道を歩んできた私にとっては感慨深いです。
そもそも、それぞれが主役級の役者さんが揃っているため、演技が圧倒的にお上手です。
セリフがないのに表情だけで泣けるシーンもたくさんあります。
そしてその表情に込められた意味は、1stから見ている人ほどよく分かる仕組みになっています。
ただ、もちろん映画で初めて見る方でも十分楽しめる映画だと思いますのでご安心ください。
(小声で本音を言いますと、映画を観る前に1stから全て見た方がいいです。1stから見ていると泣ける重要なシーンがあります。)
得意の現場処置シーンは?
現場処置シーンでも、コードブルーらしさ全開です。
特に見所は、予告編でも出てくる海難事故現場での処置です。
これまであらゆる病態が出尽くしたかと思っていましたが、その期待を超えるシーンを見せてくれます。
特に、絶体絶命の窮地で患者を救う藍沢のアイデアは、3rd SEASON最終話のクラッシュシンドロームの際の「瀉血」を彷彿とさせるものがあります。
まさに、「プロでもなかなか思いつかないが、医学的には矛盾がない」というウルトラCが見られます。
意外すぎる処置なのに、決してトンデモではない、これぞコードブルー、という感じで、思わず上映中に図解したくなりました。
公開後、解説記事でたっぷり書きたいと思います。
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批判的に見るなら?
ここまで絶賛してきましたが、あくまで中立的な立場から批判的に書くとすると、「もう1時間くらい欲しい」と思うくらいの分量だということでしょう。
とにかく128分にぎっしり詰め込まれているため、展開が速いです。
ドラマを見慣れたコードブルーファンにとっては、これをテレビドラマ4話分くらいで見たいというのが本音です。
もう一点は、映画から見る人でも楽しめるようにきっちり配慮されている部分です。
これはコードブルーを見たことがない人にはメリットですが、ファンにとっては冒頭が少しもどかしく感じるはずです。
映画で初めてコードブルーを見る人も想定されているため、冒頭では登場人物のキャラクターがあえて分かるように表現してくれます。
コードブルーは歴史が長く、それぞれのキャラが立っていて魅力的なのが特徴のドラマです。
ファンの頭のなかでは、それぞれのキャラが明確な形を持ってすでに出来上がっているので、完全な3rdの続きを期待していると少し後戻りしたような感覚を抱くかもしれません。
これだけ人気のシリーズものには、熱烈なファンと、初見のお客さんの知識量に大きな差があります。
この両者を満足させるのに苦心された結果ではないかと推測しました。
エンドロールに秘密が!
上映前イベント「コード・ブルーアワード」の際に西浦監督が明かした秘密で、
「1stから出ている、フェローではない人が出る」
「エンドロールに意外な仕掛けがある」
というものがありましたが、まさに「なるほど」でした。
詳しくは書けませんが、いずれもラストで大きな感動を誘う部分ですので、ぜひ楽しみにしていてください。
ネタバレなしだとこのくらいの情報量でしか書けませんが、いずれにしても、期待を裏切らない素晴らしい作品です。
7月27日の公開を、ぜひお楽しみにお待ちください。
なお、これまでのストーリーを忘れていて、もう一度見直す時間もない!という方は、このブログのまとめ記事をぜひご覧ください。
映画を観る前に知っておくべき最低限のあらすじをまとめています。