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コードブルーのあらすじを1st〜3rd SEASONまでおさらい!総まとめ集

「劇場版コードブルー」が、2018年7月27日に公開されます。

映画で初めてコードブルーを見る、という方や、1st、2nd SEASONを随分前にみてストーリーを忘れている、という方も多いでしょう。

 

コードブルーは、1st SEASON、スペシャル(地上波2時間枠で放送)、2nd SEASON、3rd SEASONと全33話に渡る長いストーリーです。

全てのストーリーはつながっていますし、登場人物は比較的多く人間関係も多彩です。

コードブルーのリアリティは医療者からも評価が高く、学ぶべきことが非常に多いため、このブログでもコードブルー関連記事は60本以上あります

映画前にぜひ全話を見直して、私の記事も全て読んでいただきたいくらいなのですが、

「忙しくてそんな時間はない!」

という方も多いでしょう。

 

そこで今回は劇場版を見る前に知っておくべき重要なストーリーだけをまとめてみました。

これを読めば、最低限必須の知識は身につくでしょう。

 

この記事では、まず登場人物の全体像を図解します。

次に主要メンバー5人のキャラを解説します。

そして1st、2nd、3rdの順にキーポイントとなるあらすじを書いていきます。

 

映画視聴後の方は以下の記事もご覧ください。

フジテレビ「コード・ブルー15年ぶりの記録達成の裏側」に出演しました

 

人物相関図

(クリックするとフルサイズで見られます)

劇場版に出てきそうな主要メンバーを集めてみました。

田所元部長は、児玉清さんご本人が亡くなって不在ですが、回想シーンででも出てきてほしいところです。

フライトスタッフの梶さんと轟さん、森本医師は3rd SEASONでは姿を見られませんでしたが(梶は第1話のみ登場)、映画では再登場を期待したいキャラクターです。

 

主要メンバーの経歴とキャラ設定

主要メンバーの、

藍沢耕作(山下智久)

白石恵(新垣結衣)

緋山美帆子(戸田恵梨香)

藤川一男(浅利陽介)

の4人は、1st SEASONの冒頭でフェローとして翔北救命センターに赴任します。

フェローとは、大学卒業後2年間の臨床研修を終えた後の、研修期間にある医師の総称です(厳密な定義や年数は施設によって様々)。

この4人が3rd SEASONでは中堅の指導的立場に成長し、新しくやってきた3人のフェローを指導する、という流れです(2nd SEASONから7年後)。

そして主要メンバーのもう一人が、フライトナースである冴島はるか(比嘉愛未)です。

 

簡単に来歴とキャラ設定を説明します(本当は顔写真を掲載したいのですが、権利問題でグレーな領域なので控えておきます)。

 

藍沢耕作(山下智久)

幼い頃から両親がおらず、祖母に育てられた。

自分の能力に自信があり、野心はあるもののやや内向的。

感情を表に出さず、患者にもあまり感情移入しないタイプの冷たい一面があるキャラクター。

コードブルーの主人公。

 

白石恵(新垣結衣)

著名な循環器内科教授を父に持つエリート。

真面目で知識が豊富だが、少し世間知らずで天然な一面もある感受性豊かなキャラクター。

 

緋山美帆子(戸田恵梨香)

自信家で競争心が強く、いつも強気で芯の通った女性。

しかし実際には心優しく、まっすぐで素直なキャラクター

 

藤川一男(浅利陽介)

お調子者のムードメーカー

かつては臨床能力で他の3人に比べるとやや劣っており、本人もそれを自覚していた。

いつも明るく笑顔を振りまく、優しく人の良いキャラクター。

 

冴島はるか(比嘉愛未)

敏腕フライトナース。

医学部教授を父に持ち、本人も医学部を目指したが受験に失敗。

看護師への道に転向した。

気が強く、誰に対しても言いたいことははっきり言う「優秀だが怖いナース」というキャラ設定。

 

フェローなど医師の呼び名については以下の記事をご参照ください。

若手医師の呼び方|フェローと研修医、レジデントの意味の違いとは?

 

映画前に知っておくべきあらすじ

映画を観る前に知っておくべき、ストーリー上のポイントとなった大きな事件をまとめておきます。

これを読んでおけば、劇場版でストーリーについていけないということはありません。

あまり詳しすぎるとWikipedia化してしまうので、重要なポイントに絞って解説しています。

 

1st SEASON

指導医黒田の登場

1st SEASONでフェロー4人の指導役だったのは、黒田脩二(柳葉敏郎)でした。

とにかく指導は厳しく、能力の低い部下は容赦なく突き放すタイプの指導医です。

黒田の指導を受けた若手はみんなやめていく、と言うほど厳しい指導でしたが、藍沢らフェロー4人だけは最後まで食らいつき、最後は黒田から認められることになります。

いつも若手には無愛想で褒めることもほとんどありません。

しかし表には出さない若手への愛を感じ取った元フェロー達にとって、黒田は今でも精神的な支えとなっています

黒田の存在は、コードブルー全体を通して重要なポイントです。

 

黒田の右腕切断

爆発事故現場で、安全確認を怠って進入した白石をかばおうとした黒田は、右腕が鉄骨の下敷きになってしまいます

放置すると大量の出血で命を失う、しかしレスキューの手は足りない。

そんな状況で、黒田の右腕切断に踏み切ったのが藍沢でした。

翔北に戻ってから右腕の再接合術を受けますが、ほぼ永久にメスは握れない状態に。

指導医の命を救うためにはやむを得ない行為でしたが、この事件によって藍沢と白石は「指導医の外科医人生を奪った」と心にわだかまりを残しています。

 

黒田は1st SEASONの最後に救急医療の舞台を去り、健診の仕事に就くことになりました。

スペシャル版や2nd SEASONでも黒田は時々翔北に顔を出し、口頭でフェローを指導する場面があります

劇場版で友情出演することが期待されます。

 

 

黒田の息子の手術

黒田は、仕事一筋の生活が原因で妻と離婚していました。

妻との間に息子が一人いましたが、その息子に脳腫瘍が発覚。

脳外科医の西条(杉本哲太)が手術で腫瘍を摘出し、治療は無事に終わりました。

黒田は、自分の大きな怪我と息子の手術を契機に仕事への姿勢を見直し、家族へと心が向くようになりました

黒田と西条は同期、2rd SEASONからの指導医、橘(椎名桔平)は、この2人の後輩です。

また、1st〜2nd SEASONで救急部部長だった田所(児玉清)は、黒田、西条、橘のかつての指導医です。

 

 

パイロット梶とフェロー達の関係

コードブルー1stと2ndでは、パイロットである梶(寺嶋進)がかなり大きな存在感を持っています。

ドクターヘリのパイロットは、医療スタッフや患者を安全かつ迅速に運ばなくてはならないという大きな責任を担っています

梶は、ベテランパイロットとしてこの仕事をそつなくこなすだけでなく、フェローたちの成長を近くで見守り、悩んだフェロー達に人生の先輩として助言を与えるシーンも多くありました

1st SEASON最終回では、トンネル内の事故で救助作業中にガソリン漏れが発生し、フェロー達に避難指示が出されます。

治療中の患者を置いては避難できない、と救急隊からの命令を拒否するフェロー達を無線で厳しく叱る黒田に、

「あと10分だけ時間やってくれ!それでダメなら俺がぶん殴ってでも全員引っ張り出すから」

と言ってフェロー達のために時間稼ぎをした梶の姿は印象的でした。

3rd SEASONからはメインのパイロットが若手に交代。

ドラマとしてパイロットの存在感が前面に出ることはなくなりましたが、映画での梶の再登場はファンが期待しているポイントです。

 

 

 

スペシャル版

緋山の心破裂

緋山は列車事故現場で救助作業中に車両から転落

胸を強く打ち、心破裂によって心肺停止状態に陥ります。

藍沢、黒田らの懸命の蘇生処置と、翔北での心臓外科手術によって一命を取り留めました。

心破裂後の後遺症で、心房細動と呼ばれる不整脈を患いますが、2nd SEASONでは循環器内科でカテーテル治療(「アブレーション」と呼ばれる治療)を受けます。

今では完全に治癒しており、3rd SEASONでは後遺症を感じさせる場面は全くありませんでした。

 

 

2nd SEASON

橘の登場

黒田が戦線離脱したため、翔北救命センターに新たに指導医が赴任。

黒田、西条の後輩である橘(椎名桔平)です。

橘は若手の頃に、新生児を無理やり蘇生し苦痛を負わせてしまった自責の念から、患者からは極力距離を置き、努めてドライに接することを信条としています。

「患者に近づきすぎるな」が橘の指導方針です。

 

一方、橘とかつて夫婦関係にあったのが三井(りょう)でした。

三井はむしろ患者に濃密に接して治療するタイプで、この姿勢が原因で患者家族と訴訟問題になったこともあります。

医療に対するあまりの考え方の違いから二人は離婚しますが、3rd SEASONではよりを戻しています

(ちなみに増本プロデューサーによれば、沢(青色)、石(白色)、山(赤色)、川(紫色)、田(黒色)と名前に色を含ませる流れで、(=オレンジ色)は、「熱意はあるが、赤く燃えるほどではないクールさ」を持ち合わせたイメージだそうです)

 

藍沢の父との確執

藍沢は幼い頃から父方の祖母に育てられました

両親ともに死亡したと聞かされていましたが、祖母の入院を契機に、2nd SEASONで初めて父親が登場します。

両親は藍沢が子供の頃に離婚していたこと、母親はうつ病で自殺していたこと、父は逃げるようにして家を出て音信不通になっていたことを知ります。

藍沢は父親への恨みを抱えますが、最終的には両親の事情を受け入れ、2nd SEASONの最後で和解しました。

 

この事実を祖母が隠していたことに、一時藍沢は不信感を抱きましたが、最後は事情を受け入れます。

藍沢はこうした経験から、幼い頃から「人はひとりでも生きていける」という考えを貫いています。

「自分以外は誰にも頼らない」が藍沢の中心的なマインドになっていることは、コードブルーで重要なポイントです。

 

恋人を失った冴島

1st SEASONの頃から、冴島の交際相手である田沢が難治性の神経疾患ALSにかかっていました。

田沢は、医学部を目指す冴島の学生時代の家庭教師でした。

期待の若手心臓外科医でしたが、ALSにかかって外科医を続けられなくなりました。

結局2nd SEASONで田沢は亡くなります。

恋人を失った悲しみにくれる冴島を、近くで支えたのが藤川でした。

こうした事件をきっかけに、2nd SEASONと3rd SEASONの間で藤川は冴島と恋愛関係に発展し、同棲することになります。

 

 

緋山が訴訟に巻き込まれる

緋山は、脳死で回復の見込みのない少年の人工呼吸器を、家族からの同意の書面を取らずに外しました

母親の希望を尊重しての行為でしたが、のちに母親の弟から訴訟を起こされることになります。

回復の見込みのない人が延命処置を受けないことに同意する「DNRオーダー」にサインをもらわなかったことが非難の対象になりました

結局、家族と面談時の緋山の熱弁により、家族は状況を理解し、提訴は取り下げとなりました。

 

緋山にとってこの苦い過去は、

「熱意を持って患者との距離を縮めても、患者を幸せにできるとは限らない」

ということを知る大きな経験になっています。

また、この時緋山を支えた橘への感謝の思いは強く、「橘先生は私以上に私を信じてくれた」と3rd SEASONで振り返ります。

緋山の訴訟問題は、この点でコードブルーにおいては非常に重要な事件だと言えるでしょう。

 

 

白石と父との確執

白石の父、博文は著名な循環器内科の教授です。

しかし末期(ステージ4)の肺がんが発覚し、臨床の前線から身を引き、講演活動に力を入れていました。

当初この事情を知らなかった白石は、教授職になって臨床をおろそかにしていると誤解し、父に厳しく当たっていました。

最終的には父の意図を理解して和解します。

3rd SEASONでは触れられませんが、肺がんの病状を考えると、現在はすでに亡くなっていると考えて良いでしょう。

白石が真面目で博識なのは父親譲りです。

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3rd SEASON

新たなフェロー達の登場

かつてフェローだった藍沢ら4人は、立派な中堅の指導的立場に成長しています。

3rd SEASONでは新たに3人のフェローが赴任します。

名取(有岡大貴)、灰谷(成田凌)、横峯(新木優子)です。

彼らはかつてのフェローたちとは違い、ゆとり世代の権化のようにあまり意欲や熱意のないキャラ設定です。

当初は全く戦力にならず、救命センターのマンパワー不足が深刻になっています。

しかし最終的には藍沢ら4人の指導によって大きく成長し、救急医療にやりがいを見出すことになります

 

 

藍沢が復帰

藍沢は以前から脳外科領域に興味を持っており、2nd SEASONの最後で脳外科へ転向していました

しかし3rd SEASONでは、マンパワー不足により救命センターからの強いオファーを受けます。

藍沢も、救急医療に依然として惹かれる気持ちがあり、結局救命センターへ復帰しました。

このように、藍沢は一定期間(約7年)脳外科でトレーニングを積んでいるため、頭部外傷の手術が得意です。

特に現場での穿頭ドレナージ(ドリルで頭蓋骨に穴を開けて血液を抜く)は、救急部の中では藍沢しかできない、頻繁に登場する手技です。

藍沢は、将来的には一流の脳外科医として活躍したい、と思っています。

救急医療への復帰の目的は、あくまで脳外科医としてのスキルアップの手段であり、「頭部外傷の緊急手術症例を集めるため」と本人は語っています(本心はどうかわかりませんが)。

 

名取と灰谷

新しいフェローの名取と灰谷は両極端のキャラ設定です。

名取は、大病院の院長兼オーナーを父に持つ、裕福な家で育ったプライドの高い医師です。

当初、向上心は全くなく、救急医療への興味もありませんでした。

自らのミスを認めようとしない、自尊心の高さも問題になります。

そんな名取をメインで指導したのは緋山でした。

名取の、患者に感情移入することなく冷静に接することができる性格や、手先が器用で臨床能力も高いことを緋山は見抜き、名取を一人前に変えました。

最後は、自分の病院に戻そうとする父に反抗するほど、救急医療への意欲を見せるまで名取は成長します。

 

一方、灰谷は優しくて人がよく、感受性が豊かな医師です。

医療への意欲は高いものの度胸や勇気がなく、あまりに打たれ弱いのが欠点です。

目の前で患者さんを失った経験から、いわば「うつ状態」になり、ホームから飛び降りて自殺を図りました

灰谷をメインで指導した白石のおかげで、最後は灰谷も自分への自信を取り戻すまで成長します

この2人の対照的なキャラ設定と、2人を成長させた緋山、白石との関係は3rd SEASONの大きなポイントです。

 

 

緋山の事故と恋愛

緋山は3rd SEASONでエボラ出血熱疑いの患者の血液が付着した針が手に刺さり、感染リスクから一定期間隔離されます。

最終的には感染をまぬがれましたが、この時不安に怯えていた緋山を支えた人がいました。

3rd SEASONでの重要な脇役、緒方さんです。

緒方さんは、3rd SEASON序盤で偶然翔北に外傷で搬送された患者です。

料理人でしたが、外傷(中心性頸髄損傷)がきっかけで手に麻痺が残り、職を失います。

入院中に緋山と意気投合し、最後は恋愛関係に発展しました。

医師と患者との恋愛関係の描写は賛否両論を呼びましたが、この二人の関係はストーリー上重要なポイントです。

 

 

冴島の流産

冴島は同棲していた藤川との子供を妊娠しますが、流産してしまいます

立ち会ったのは、産科救急を専門とする緋山でした。

妊娠中もフライトナースとしてハードな仕事をこなしていたため、冴島はこの経験で自責の念に悩むことになりました。

冴島は、1st SEASONで親に過度な期待をされながら医師になれなかった負の側面を見せ、2st SEASONでは大切な恋人を失い、3rd SEASONでは流産と、とにかく不幸な目にあうことが多いのが特徴です。

これについてはドラマ中で藤川も、「なんであいつばかり不幸な目に・・・」と言及しているくらいです。

3rd SEASONでは後述する藤川の事故もあり、劇場版では冴島に何が起こるのか若干心配なポイントではあります。

 

橘の息子の移植手術

橘の息子、優輔くんは重度の拡張型心筋症で心臓移植しか治療の方法はない、という病状でした。

橘の親友である循環器内科医の井上のおかげもあり、無事に脳死患者からの心臓移植を受けることができました。

移植後は歩けるようになった姿を見せますが、定期的な通院や治療の継続は必要な状況で、橘、三井夫妻はそれほど気が抜けるわけではありません。

劇場版でも優輔くんが登場する可能性があります。

 

 

藤川の瀕死の外傷

地下鉄事故の現場に出動した藍沢ら翔北のメンバーが二次災害に巻き込まれます。

崩落により、藤川の下半身ががれきの下敷きに。

一時、心肺停止に陥りますが、藍沢の懸命な救命処置により救われます。

藤川の専門は整形外科ですが、この事故を契機に冴島から、救急外傷整形から一般整形への転向を望まれます

しかし藤川はフライトドクターとしての自分の能力を生かしたいと、救急医を続けることを決めました。

ちなみにコードブルーにおいて、1stの黒田、スペシャルの緋山、3rdの藤川とスタッフの「二次災害」は定番です。

劇場版でもきっと誰かが二次災害に巻き込まれると予想しています

 

 

藍沢と新海の関係

2nd SEASON後に藍沢は脳外科医に転向していますが、脳外科にはライバル新海(安藤政信)がいました。

3rd SEASONでは、二人が担当した女性ピアニストの患者さんが、脳腫瘍の手術の後遺症で手に麻痺が残ってしまいます

二人がライバルとしてしのぎを削る中で、患者の存在がないがしろになったことへの反省が二人を成長させました

 

新海は、見た目はプライドの高そうな脳外科医ですが、きわめて真面目で人の良いキャラです。

藍沢に対する負の感情は特になく、良きライバルとして尊敬しています

災害現場で人が足りない時に駆り出されるなど、救命センターにとっても頼りになる存在として描かれます(2nd SEASONまでは、これは西条の役回りでしたが)。

劇場版でもきっと登場してくれるでしょう。

なお藍沢は、3rd SEASONの最後に脳外科部長西条の推薦でトロント大学脳外科へ留学を決めます

脳外科医として、さらにもう一段、成長が期待されます。

 


というわけで今回は、コードブルーの全話のあらすじ総まとめをお送りしました。

コードブルーを見てきた方は映画前の復習に、見たことがない方はこの記事で事前に知識を手に入れておいてください。