コードブルー2nd SEASONは、2010年1〜3月に放送されました。
2008年に放送された1st SEASON(当時は単に「コードブルー」)の続編として作られ、平均視聴率は16.6%と前作を上回る人気でした。
1st SEASONに引き続き、救急医の監修によるリアルな医療シーンと、深い人物描写により完成度の高い作品でした。
私は個人的には2nd SEASONがシリーズ史上最高傑作と思っていますが、同じ感想を抱く人も多いのではないでしょうか。
放送から8年たった今でも古臭さは全くありませんので、まだ見たことのない人はぜひ映画化前に見てみてほしいと思います。
このサイトでは、3rd SEASONの解説を行ったのち、希望に応える形で1st、2ndと全話解説を行いました。
この記事は、2nd SEASONのあらすじ総まとめと解説記事の目次ページとしてお使いいただければと思います。
ぜひお楽しみください。
映画化までに全ストーリーをおさらいしたい方はこちら↓
目次
各話のあらすじと解説(ネタバレ)
第1話 聖夜の奇跡
1st SEASONで、指導医黒田(柳葉敏郎)のもとで成長した藍沢(山下智久)ら4人のフェロー達。
2nd SEASONで彼らは「救えない命」に直面します。
DNR(急変時に延命処置を受けない意図)を示す冴島(比嘉愛未)の恋人、田沢。
そして川で溺れ心肺停止となった少年を無理やり蘇生した藍沢。
第1話解説記事では、まず2nd SEASONの大きなテーマとも言えるDNRの意味を解説しました。
そして、藍沢らの蘇生処置が正しかったのか、低体温症の仕組みとともに詳しく解説しました。
→コードブルー2 第1話|心肺停止の少年を無理やり蘇生した藍沢の行為は正しいか?
第2話 自らの道
2nd SEASONで、黒田の後任として赴任した指導医は橘(椎名桔平)でした。
臨床能力に優れた藍沢を高く評価した黒田と違って橘は、謙虚で自らの限界を知っている藤川(浅利陽介)を評価します。
なぜ黒田と橘は評価の仕方が違うのか?
藤川が見抜いた頭蓋底骨折と「ダブルリングサイン」とは何だったのか?
について解説しました。
また後半で登場したのは、通称「人食いバクテリア」と呼ばれる恐ろしい細菌感染症でした。
これによって緋山(戸田恵梨香)は担当患者を一瞬で失ってしまいます。
この細菌感染と壊死性筋膜炎について解説しました。
→コードブルー2 第2話|ダブルリングに気付いた藤川が橘に褒められた理由
第3話 真実と嘘
2nd SEASONでは、患者の死が多く描かれます。
特に印象的だったのが、第3話のスキー板で串刺し状態になった3人の男女でした。
藍沢らフェロー達の必死の救命処置もかなわず、そのうちの1人の男性が彼らの目の前で亡くなってしまいます。
第3話解説記事では、この男性に行った処置として、
コードブルーでよく出てくる現場での緊急開胸、大動脈遮断はどのように行うのか?
この処置にどれほどの効果があるのか?
ということについて詳しく解説しました。
また、スペシャル版での転落事故後の後遺症で不整脈に苦しんでいた緋山。
第3話でようやく治療を受けることを決意します。
緋山の不整脈はどういう病気なのか?
受けた治療「アブレーション」とは?
といった内容について解説しました。
→コードブルー2 第3話|緋山の不整脈はなぜ治せたか?アブレーションの意味
第4話 過ぎし日
「真面目で博識」で通った白石(新垣結衣)が、大きなミスをしてしまいます。
腹部大動脈瘤切迫破裂の見逃しでした。
結局、緋山のフォローでことなきを得ます。
白石のミスについて、部長の田所(児玉清)と指導医の橘が振り返りますが、果たして彼らの指導は正しかったのか?
医療におけるミスへのフィードバックに感じた違和感を書きました。
また後半では、白石が名誉挽回とばかり、緋山と「クラムシェル開胸」によって患者を救います。
のちに橘にも褒められた、このアクロバティックな開胸術とはどんなものなのか?
図解入りで解説しました。
→コードブルー2 第4話解説|白石&緋山が決めたクラムシェル開胸とは?
第5話 愛する人
第5話はそのタイトル通り、田沢の死にスポットが当てられました。
冴島の恋人で、ALSを患っていた田沢がついに亡くなります。
延命治療を望まなかった田沢に対し、酸素投与を極力控える処置をとる医療者たち。
呼吸がうまくできない患者さんに対して、なぜ酸素を投与しすぎるとダメなのか?
ドラマ中で詳しい解説がなく、疑問に思った方が多いと思われたポイントを解説しました。
また、田沢の死後に行われた「病理解剖」という行為についても併せて解説しました。
→コードブルー2 第5話|なぜ田沢の酸素投与を増やすと死期は早まるのか?
第6話 秘密
第6話の前半で登場したのは、肝硬変による食道静脈瘤破裂の患者でした。
食道静脈瘤破裂は、死亡リスクの高い重要な救急疾患ですが、コードブルーではこれまで詳しく描かれたことはありませんでした。
解説記事では、この疾患がなぜ危険か、ということについてまず解説しました。
そして後半は、コードブルーのストーリーの中でも重要な、緋山の訴訟問題が描かれます。
ここから3話にわたって描かれたこの問題について、医師の視点から解説してみました。
→コードブルー2 第6話 解説|緋山の行為はなぜ訴訟を起こされたのか?
第7話 あやまち
恋人の死から立ち直れず、集中力を失っていた冴島が大きなミスを犯します。
ヘリに積む救急バッグの中に、現場での処置に必須となる道具「サテンスキー鉗子」を入れ忘れてしまいました。
現場での大量出血で、サテンスキーなしでは血流遮断ができない、という絶体絶命の状況で藍沢が行ったのが「ハイラーツイスト」でした。
このハイラーツイストとは一体どんな処置なのか?
藍沢の動きがなぜ「すごい」のか?
医師なら分かるポイントを詳しく解説しました。
→コードブルー2 第7話解説|右開胸ハイラーツイスト 藍沢の判断がすごい理由
第8話 理由
重要な救急内科疾患、アナフィラキシーが登場します。
珍しいことに第8話では、アナフィラキシーが集団発生しました。
特定のアレルギーを持つ人にしか起こらないはずのアナフィラキシーがなぜ集団発生したのか?
その原因となったヒスタミン中毒について解説しました。
そして後半は、ようやく緋山の訴訟問題が収束に向かう過程が描かれます。
弁護士を交えて緋山と患者家族が面談。
そこで強い口調で緋山は自らの思いを訴えます。
この訴えが患者家族の心を動かし、提訴は取り下げとなりました。
この時緋山が言ったセリフの意味と、これに多くの医療者が同意する理由について解説しました。
→コードブルー2 第8話解説|アナフィラキシーショックがなぜ集団発生!?
第9話 心の傷
前半は、藍沢が担当したバイク事故後のコンパートメント症候群について解説しました。
また、「単独事故がなぜ怖いのか?」について、救急の現場で重要となるポイントを解説しました。
また後半は、スキー選手が事故で中心性頸髄損傷を負い、翔北に搬送されます。
3rd SEASONでの名脇役「緒方さん」と同じ外傷であるこの「中心性頸髄損傷」の仕組みを解説しました。
またこのスキー選手と、緒方さんの病状との微妙な違いについても併せて解説しました。
→コードブルー2 第9話解説|単独事故は軽傷でもあっさり帰してはいけない
第10話 岐路
第10話から最終回にかけては、飛行機の墜落事故が描かれます。
現場に出動した翔北のスタッフ達は、様々な外傷を体験します。
そんな中、緋山が担当したのが重度の熱傷患者でした。
それまで普通に話せていた患者が、緋山の目の前であっという間に亡くなってしまいます。
気道の熱傷と、全身の広い熱傷がいかに危険かについて解説しました。
また、この飛行機には循環器内科医である白石の父、博文が乗っていました。
多忙で父になかなか会うことができない白石と、勤務体制に対して真面目に苦言を呈してみました。
→コードブルー2 第10話解説|熱傷によって命を失う人のリアルな最期
最終話 卒業〜奇跡の定義〜
前回の飛行機墜落事故現場でのフェロー達の処置は続きます。
飛行機に乗っていた白石の父、博文は、怪我を負っていましたが無事でした。
それどころか、少しでも力になろうと現場での救助作業に参加していました。
途中で白石と合流し、2人で力を合わせて患者を救う、貴重なシーンがあります。
内科医と外科医のタッグが決まった、「意味が分かると楽しめる瞬間」を解説しました。
また藤川は、骨盤骨折によって足の血流がなくなった患者をFFバイパスによって救います。
このアクロバティックなバイパス術を指導したのが、かつての指導医黒田でした。
このシーンも臨場感あふれる魅力的な演出があり、わかりやすく解説してみました。
→コードブルー2 最終回 解説前編|黒田&藤川コンビ再び!FFバイパスの妙技
一方、訴訟問題で現場を離れていた緋山はなかなか持ち味を発揮できませんでしたが、一人の患者を救ったことで臨床の勘を取り戻しました。
それが「横隔膜破裂」の患者でした。
この外傷と、それに対して緋山が行った治療について解説しました。
最後は、2nd SEASON全体のテーマとなった、「奇跡」ということについて藍沢が語ります。
決してハッピーエンドばかりではない、厳しい現実を描いたコードブルー。
その中でリアルな医療について語る藍沢。
医師の視点から、藍沢のセリフに関する私の解釈を述べました。
→コードブルー2 最終回解説 後編|藍沢が語る「奇跡」の意味、医師という仕事
コードブルー1st〜3rd SEASONのストーリーを全ておさらいしたい方はこちら↓